少し嫌な遭遇
俺は落としたスマホを拾い河合さんと名乗る彼女を見た。
「えっと...本当に河合さん?」
「そうだよ?」
そう言うと彼女はつけているネックレスを見せてきた。
それは俺が河合さんに上げたクリスマスプレゼント。
父さんの親戚に頼んで作らせてもらった世界で1つのネックレスだ。
「河合さんなんだ...」
「うん、2年前君が告白と一緒にくれたプレゼント、大切にしてたんだ。」
振った相手のプレゼントをいつまでも持っているんだ...
そんな気持ちと、2年も経ったのに持っててくれたんだ...
2つの感情がぶつかり合ってよく分からなかった。
「えっと...河合さんはどうしてここに?」
そう言うと河合さんはスマホ画面を見せた。
「約束してたでしょ?2年前の卒業式に。」
スマホ画面には「2019年、2年後の9月6日に御影くんの引越し先に遊びに行く。」
そう書かれていた。
「2年前の事よく覚えてたね...」
「うん、2年前から楽しみにしてたからさ。」
つまり約束した年から楽しみだったのか...
「誠也君は...お出向か迎えってわけじゃないよね...携帯ショップに向かってたし。」
河合さんは少し落ち込んでいた。
「あっ...うん、携帯の修理に...」
そう言いスマホ画面を見せた。
「誠也君柔道してたから力入ったのかな...?」
確かに、力を入れないと完全破損までいかないよな。
「まず色々話したいけどスマホ修理に出してからにしよっか。」
何故か河合さんも一緒に入った。
「すいません、5時から予約の御影です。」
「いらっしゃいませ、修理予約の御影様ですね。」
店員さんにスマホを渡し修理可能か見てもらった。
「う〜ん...今回は肘で画面を割ってしまったんですよね?」
「はい。」
店員はスマホを持っていき裏に向かった。
「少し失礼します。」
5分程待っているとさっきの人と男性店員と出てきた。
「お待たせいたしました、こちらのスマホがですね、以前から少し内部が故障してまして、今回の肘で完璧に壊れてしまって、修理はできるんですが...少し酷く、週売り期間が長い上に料金が何十万になりますので...買い替えるのがおすすめですね。」
今度母と見に来ようと思い店を出た。
そのまま河合さんとカフェに向かった。
「昨日メールくれたじゃん?連絡先どこで手に入れたの?」
「同級生だった廉君覚えてる?廉君が何人もの友達を経由してくれたの。」
何人経由すれば手に入るのかよ...
「ねぇ誠也君、あの日のこと覚えて...」
「覚えてない。」
俺は振られた日のことがフラッシュバックし気分が悪くなりトイレに駆け込んだ。
個室に入り嘔吐した。
少し落ち着きトイレを出た。
河合さんの席を見るとガラの悪い男2人が居た。
「誠也君助けて!」
河合さんが駆け寄ってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます