嫌な部活

高校生になり2年になるが、俺は帰宅部だ。

茉陽は陸上部。

希空はサッカー部のマネをしている。

スポーツは柔道以外したこと無く、超運動音痴なのだ。

優さんには希空と一緒にサッカー部に入ったらと言われたが希空と同じ家で同じ部活って...嫌すぎる...

「誠也、部活どうするの?希空ちゃんがマネージャーしてるサッカー部に入る?」

「スポーツはしたくないけど、考えとく。」

母にそう言い朝食を持ち部屋に向かった。

「サッカーか...ルール知らんのよな...」

スマホでルールを調べたが...一ミリもわからん。

「...サッカー出来るんかな。」

「誠也、サッカー部に入るの?」

希空がノックし入ってきた。

「いや、考えてるだけ。」

俺がスマホで調べているのを見た希空はスマホに飛びついた。

「サッカーやる気ある?」

「...ルールわからんし。」

そう言うと希空は俺の唇に指をおいた。

「違うよ、私が聞いてるのは誠也がやる気があるかなの。」

「...少しはある...かも。」

希空は目をキラキラさせて部屋を出た。

少しすると希空と優さんが来た。

「誠也君、今からサッカーするぞ。」

優さんはそう言って俺にボールをパスした。

「...」

「ルールは教えてやる。」

笑顔でそう言い外に出た。


外に出ると優さんがキーパーグローブをつけていた。

「誠也君、思いっきり蹴ってみな。」

そう言われ俺は優さんめがけ思いっきり蹴った。

蹴ったボールは「バァァァァァン...」と音を立て壁に当たった。

壁には小さなヒビが入ってしまった。

「やべっ...」

希空と優さんは顔を見せ合わせた。

「えっと...誠也君...」

「誠也...」

怒られると思い顔を背けた。

「すごいよ!ボールの曲がり方、表現の仕方がわからないけどすごいよ!」

希空が手を握り笑顔で言った。

「あぁ、回転がすごかった、才能があるよ。」

優さんはそう言って頭を撫でた。

「才能...」

希空も「あるよ!ルールわかればすぐにスタメンになれるよ!」自分のことのように喜んでいた。

俺は部屋に入りルールを教えてもらい、サッカー部への入部を決めた。


次の日、職員室に向かい入部届を貰った。

「はい、入部届。」

先生から紙を貰うと色んな先生が驚いていた。

父の事もあり、スポーツ部には入らないと考えていたのだろう。


放課後になり、グラウンドに向かった。

「えっとな、今日入部した御影誠也、ルールは基本の事は分かっているから難しい事は教えてやれ。」

顧問がそう言い練習に混ざった。

「誠也、蹴ってみろ!」

同級生の「郡城光司」がキーパーをしている。

光司は現役キーパーで去年の県大会を無得点で抑えた。

「分かった。」

昨日と同じように蹴った。

「バァァァァァン...」

光司も反応ができてなかった。

顧問が近づいてきた。

「...誠也、次の試合から出れるか?」

「え?」

なんと、入部1日目でスタメンになった。

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