嫌な休日

2階に行き部屋をノックした。

「希空、何かあった?。」

「ううん、何もないよ。」

着替えた希空が出てきた。

正直綺麗だった。

「何?どうしたの。」

俺は見惚れていた。

顔が少し赤くなった気がする。

「なんでも、早く来な。」

俺と希空は1階に降りた。


1階に行くと2人も見惚れていた。

俺は冷蔵庫からお茶を出し飲んでいた。

「さっきから何?皆してボケーっとして」

「いや〜中々見ない希空の私服に見惚れてさ〜。」

「そうそう、皆してって、誠也もだもんな〜」

3人が俺を見たが背を向けた。

3人は恋バナを始めた。

「俺さ、茉陽ちゃんに告白と思ってる。」

伊織が初めに言った。

「茉陽ちゃんか〜良いと思うけどな、あの子好きな人居るらしいぜ。」

「あ〜茉陽は男好きじゃないみたい、前にクラスメイトに声かけられた時最後睨んでたもん。」

確かに昔から茉陽は俺以外と関わってなかった。

男子と関わるといえば俺がいじめられてるときだけ。

「幼馴染の誠也君はどう思います?」

康介が俺を見た。

「...茉陽は昔から男嫌いで関わりを持たなかったぞ。」

伊織は落ち込んでいた。

「俺の恋は終わった...」

「告ってもないのに諦めるなよ、男嫌いでも好きじゃなくても告白されれば意識するようになりいつか気になる、そして仲良くなれる、そしたらまた告ればいいじゃないか。」

「「「良いこと言う〜」」」

3人が声を揃え言った。

「あ、実体験とか?」

「俺はしたことないしされたこともない。」

「「「意外〜」」」

また声を揃って言った。

「誠也は顔も良いし柔道もできるってすごいよな。」

康介がそう言うと伊織が頭を叩き「おい...」と言った。

「わ、悪かった...」

康介が下を向いた。

「気にするな、全部昔の事だ。」

昔は父の事でいじる人が多かった。

いつも母と茉陽が助けてくれたおかげで元気になれた。

「あ、俺希空ちゃんの恋バナ聞きたいな。」

「俺も俺も。」

「誠也は?聞きたい?」

希空が振り向き聞いた。

「まぁ、少しは聞きたいかな...」

希空は笑顔になり話し始めた。

「初恋は〜中学生の時かな、お婆ちゃんの住む地域のお祭である男の子に会ってさ、確か名前は...椋橋君だったかな。」

「へぇ〜椋橋か、全然聞かない名字だな。」

「お婆ちゃん家の方でも珍しかったみたいでさ、その子片親でお父さんの性なんだって。」

椋橋...父さんの親戚に居たような...

遠い親戚に「椋橋大兎」そんな名前の同い年が居たのを思い出した。

会ったのは父さんの葬式が最後だった。

「椋橋大兎...」

そうボソッと言うと希空は勢いよく振り返った。

「そんな名前だった!」

「え、知ってるのか?」

「知ってるって言うか、親戚かな。」

大兎はここから県を5つ離れた所に住んでいる。

「その子、どこに住んでるの?」

「確かここから結構遠いけど、光見寺って言う寺に住んでるよ。」

「光見寺知ってる!良くお参りに行った!」

「てか昼どうする?」

康介が腹を鳴らし聞いた。

「皆金あるなら外食で良くね。」

俺達はファミレスに向かった。

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