賢帝の御霊はこうして天高く上り、そこに遺されたのは……
ハンナの弔辞が終わると出棺の運びとなる。
棺から冷蔵魔法が付与された魔石が取り外された。そして、顔を見せるための小窓も閉められ、密閉するために釘が打たれる。
棺は男手により神殿外の馬車まで運ばれ、その後ろを遺影を持ったハンナがついて歩く。
大神殿の外の街道沿いにはたくさんの国民が詰めかけていた。そして、国民からは「ケント1世バンザーイ! リヴァストン帝国バンザーイ!」と万歳が捧げれられる。
ケント1世を載せた馬車にハンナが乗り込むと馬車は大神殿近くの皇族専用の廟に隣接する火葬場に運ばれた。
火葬場でも賛美歌が鳴り響き、いよいよケント1世の棺が焼かれる。焼かれるための台に棺が載せられ、焼くための魔導機械に棺が収まりきった瞬間、ハンナはやはり泣き崩れた。
「ケント! ケント! ああああああああああっ!」
ハンナの
それからしばらくの後、骨になったケント1世。骨壷に粛々と入れられていくケント1世の骨。そして、その骨壷はハルト1世が持ち、建国帝タクト1世やその妻たちが眠る廟へと収められた。
これにてリヴァストン帝国2代皇帝『賢帝』ケント・ワイズ・リヴァストン1世の国葬は完了と相成った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます