第3話 王国魔導騎士
アリアたちが森に隠れてから数十分が経過————
「こっちは……よし、来てないっぽい。フォルテ!走っ———えっ!?」
「ん?……おい!!いたぞ!こっちだ!」
「っ……」
王国騎士に見つかった途端にアリアたちは切り返して後ろへ引こうとする。…が時すでに遅し、合図が入った王国騎士の行動は素早かった。後方に先回りされ退路を防がれてしまった。
「まずい…囲まれちゃったよ…ど、どうするアリア……」
「…もうどうしようもないね…。王都が近いしあまり騒ぎは控えたかったけど…フォルテ!冒険者魔導師だったんだから戦えるよね!やるよ!」
「了解!こっちは任せて!終わったら加勢に行くから!あと多分魔導師が紛れてる!気をつけて!」
「オッケー!ストーカーは犯罪だよ!!吹き飛べ!『
無数の星が王国騎士団を襲う。「星撃」はアリアの中では結構威力が高い攻撃だ。剣しか持っていない王国の騎士はなすすべなく吹き飛んでゆく。しかし魔導師は別だ。
「お〜とっとぉ〜、『
一部だけアリアの星が弾かれる。敵は何やらバリアのようなものを纏っていた。
「どぉ〜もぉ〜私は王国魔導騎士団の『
「魔導師……っ」
「全く…私の可愛い部下たちが怪我をしてしまったじゃないですかぁ〜。だが私はとても付いている。まさか大罪の魔導師が2人もいるなんてねぇ〜。そうでしょう?……『
新聞に顔写真と名前が載っていたためアリアの情報はおそらく大陸中の魔導師に知れ渡っている。王都の魔導師なら目をつけている者も少なくはないだろう。
「うるさいっ!…クソ王子の駒になんか捕まるかっ!——『
アリアは「星撃」を回転運動を伝える「回転軌道」に乗せてより速く高威力で打ち出した。しかし…
「学びませんね。『
とたん防壁に当たったアリアの攻撃は鏡に当たったようにはね返りアリアに直撃した。
「ぐっ……」
「やはり大罪の魔導師といえど所詮は元低ランクの冒険者魔導師。取るに足りません。さあ終わりです」
ダニアはシールドで生成した剣をアリアに向けている。はね返った自身の攻撃でアリアは体が痺れて身動きが取れない状態だ。まさに絶体絶命である。
すると——
「『
突然真っ赤な炎がダニアに襲いかかった。
「貴様………!」
「アリア!向こうは片付いた!加勢するよ、動ける!?」
「フォルテ……」
大罪の大魔導 はんぶんこ @hanbunko
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