第2話 おんなじ境遇
冒険者魔導師の王都招集勅令があってから2日後。
「……ん…ふあぁぁ………ちょっと寝過ぎたかな。…って、2日も経ってるし。まずいな。ゆっくりしてらんないや。今後の計画も立てていかないといけないしなぁ」
気持ちの良い朝日のもと、アリアは木陰で目を覚ました。よほどショックだったのか2日も寝ていたらしい。
「……えっと、今日の新聞はっと……」
横に置いてある新聞に手を伸ばす。
毎朝自分の元に届く新聞を朝に読むのが (とてつもなくおじさんくさいが) アリアの一つの習慣である。これからアリアの1日が始まる。
アリアは寝ていた2日分の新聞に目を通した。
「…はぁやっぱり。勅令に背いたんだし犯罪者扱いもされるかぁ。うわぁ…ちゃんと私の名前っちゃてるじゃん。しかも懸賞金まで…6000ティルって…結構高くない?」
『ティル』というのはルエズ大陸のみで使われている通貨のことだ。王都に住む平民の家の全財産がざっと7000ティルぐらいなので、アリアを捕まえることができたら一財産稼げると言うことになる。金に目がない賞金稼ぎたちにはもってこいだ。
「こりゃ私狙われるね。ここ王都近郊の森だし結構危ないじゃん。うわっ…さっさとどっかいこ…ひとまず隣の都市まで行けたら…」
ここを東に少し行ったところに商業都市エスティナという都市がある。王都が近いのでまだまだ油断はできないがそこでなら少し休むくらいできるだろう。
「ええと…確かエスティナはこっち……………」
とエスティナに向けて出発しようとしたその時。
ドドドドドドドドッ
軍隊の行進のような地響きが耳に飛び込んできた。
ふと音のした方に目を向けると……
「……ええ!?あれって…王都の軍隊!?っていうか誰か追われてる?」
王都の軍隊の象徴である白い甲冑を身につけた騎士たちが1人の少女を捕まえようとしていた。もうすぐそこまで来ている。
「…あのっ……どなたか存じませんが…助けてくれませんか!」
「くっ……まずいな…君!こっちよ!」
アリアは素早く少女の腕を掴んで森の中に身を隠した。幸いまだ騎士たちは気づいていないようだ。
「おい!どこいった!大罪の魔導師だぞ!絶対に探し出せ!」
アリアと少女はじっと身を潜めた。
——————数分後
「……ふぅ、なんとか巻いたね………で、あなたは…」
「あっ…私元冒険者魔導師の『
「あっ、敬語じゃなくていいよ、年近そうだし。私も元冒険者魔導師の『
「元冒険者魔導師ってことはまさかアリアも…王都招集勅令で?」
「そそ、大罪のなんとか。ほんとはた迷惑だよね〜今や犯罪者だよ」
「大罪の魔導師ね。いやほんと。一回あのクソ王子の顔面殴ってやりたいよね」
「わかる」
なんと犯罪者生活2日目にしてアリアは同じ境遇の人と出会のであった。
フォルテは招集の時王都に宿泊しており、招集に行かなかったのを密告されて速攻で居場所がばれて森まで逃げ込んできたらしい。
「それはそうと聞いてよアリア。さっきの騎士団さ、昨日設立された魔導騎士団っぽいんだよね。率いてた人が見たことある魔導師だったから。」
「……うっわ」
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