第1話 大罪の魔導師
ここは王都周辺の森林地帯トスカンナ。そこで1人の少女が奮闘していた。
———森の中とある洞窟にて
「おいおい…このクソアマァ…随分とやってくれるじゃねぇの。仲間が3人伸びちまったじゃねぇか。テメェ何処の誰だ」
「はぁ……野蛮な盗賊如きに名乗るつもりはないんだけど…魔導師界では『
「はん!ご丁寧にどうも、俺は『蜘蛛の巣盗賊団』の頭、【
「問答無用!『
「ぐはぁ……お前……魔導師界の礼儀は…………がくっ」
少女は宣言どうり問答無用で自己紹介中に攻撃をぶち込んだ。一応名乗るのはちゃんとした礼儀でもあるのだが…。
礼儀知らずの (いや犯罪者相手に礼儀とか言ってはいられないのだが) 少女の名はアリア。辺境の村に魔力を持って生まれ、【
「よしっ、今日の依頼も順調順調〜っと。もうすぐランク上がるんじゃないかな。いやまだ駆け出しの最低ランクなんだけどさ!」
アリアが冒険者魔導師になったのは1ヶ月前のことである。最低ランクなのは当たり前だ。もうランクが上がりそうなのだから結構成長は早い方である。
「さっさと森から出てギルドに戻るか〜森の出口は…『星の
『星の
◯
アリアは30分くらい歩いて森の中央ぐらいに到着した。
「はぁ…はぁ………いやお前重いわ!何食ったらこんな太るんだよ……はぁ、ちょっと休憩してからにしますか…おっ?」
バサバサァという羽根の音とともにアリアの前に現れたのは、
「手紙…なんかあったっけ?」
特に自分は悪さしてないぞと言う思いでアリアは手紙を開く。
「………」
「……ん?」
「…はぁ!?」
次の瞬間アリアは盗賊が起きるくらいの頓狂な声を上げた。
「冒険者魔導師廃止ぃぃぃ!?え?急すぎ意味わかんない!なに?第一王子直属部隊って!?命令でしか動けないやつ?クソじゃん!明日集合?絶っっ対にいかないかんね!」
散々な言いようである。が、アリアが起こるのは仕方がない。なぜならアリアが掲げている目標は「自由に世界の果てまで冒険し尽くすこと」である。なので自由を奪われることは最も嫌いなことなのである。
「お、おい礼儀知らずの嬢ちゃん…何がどうしたってんだ…」
先程の大声で盗賊が目を覚ましたようだ。
「もう知らん!お前も知らん!どっか行け!家帰れ!もうふて寝してやる!」
パタっとアリアは腹いせにそこら辺の木陰で寝出した。
「……マジでなんなんだ……………」
盗賊は何も分からずとにかく怖かったので (アリアの叫び声が) 特にアリアに手を出す素振りもなくとぼとぼと帰っていった。
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