第399話 Freeze and break
ネル・フィードは頭の片隅にある『女と戦えない』という思考を振り払い、未知への力に挑む覚悟を拳に乗せ、エミリーに攻撃を仕掛ける。
ギュアアアアアッ!!
『
ズガガガガガガッ!
ドウッ!!
バシュンッ!!
ドンッ!!
ネル・フィードは一気にパワーとスピードを極限まで引き上げた。上下左右、あらゆる方向から変則的な攻撃を仕掛けるも、その全てをエミリーは、踊るように優雅に払い除けるっ!
ズオンッ!!
バシッ!!
「へえ。やっぱ強いんだ」
『余裕かよ……!』
ネル・フィードの渾身の一撃を、エミリーは片手で簡単に受け止めた。
「はあ───っ!!」
ブォンッ!!
拳を掴んだまま、エミリーはマギラバを上空高く放り投げた!
『ぐおぁっ! バカ力か!?』
グッ!!
上空で、慌てて体勢を整えている最中のマギラバに、エミリーが静かに両手を翳す。
スウッ……
「
シュウッ!! ドウンッ!!
冷気を伴った衝撃波が、嵐の如くネル・フィードを襲う。
『
ズオオオオオオッ!!
シュウウゥゥ────ッ!!
パキパキ! パキパキキキキッ!
ガシャ───────ンッ!!
ダークマターの強靭な盾も、いとも容易く凍りつかせ、破壊するエミリーの凍結技の威力の前に、ネル・フィードは背筋に氷の爪を突き立てられた感覚に襲われる。
「よく防いだじゃない!」
『はあ、はあっ!』
(ふっざけんな! なんだよ、今のは! マジで死ぬぞ!)
宇宙でもアンティキティラと並び、最強と言われるダークマターの種族。その中でも自分はトップクラス。その自信が正に凍らされ、砕かれる、己の無力さと向き合う、そんな屈辱の時間の中に彼はいた。
「はい。じゃあ、次行くわよー!」
『今度はなんだっての!!』
エミリーはネル・フィードに次の一手を考える余裕を与えない。彼女の両拳が集まった氷の結晶で激しく光輝く。
シュオオオオウッ!!
バキキキキキッ!!
「
ズバギュンッ!!
エミリーは一瞬でネル・フィードの目の前まで上昇。それと同時に凍結の連撃が絶え間なく降り注いだ。
ダダダダダダダダダダダダダッ!!
ガシャンッ! ガシャンッ!
ガシャンッ! ガシャンッ!
ガシャンッ! ガシャンッ!
ガシャンッ! ガシャンッ!
永遠に続くが如く凍結地獄。ネル・フィードの肉体は、凍結と破壊を繰り返されるというエンドレスな凍結地獄を彷徨っていた
無情な時間が続いた。
シュオオオオ……
「はい。かき氷の出来上がり。たいして美味しそうではないわね」
ネル・フィードは体の大部分を砕かれ消失。気を失い、そのまま落下。体を包んでいたダークマターも消え失せ、マギラバ化も解けてしまった。
ドサッ!
ガシャンッ!
「さて、お次はエルフリーナちゃん、あなたの番よ。覚悟はいい?」
エミリーが上空から見下ろす視線の先には、怒りに震える『闇の能力者』エルフリーナと『光の能力者』アイリッサ。
光と闇、相反する力を持つ2人は、この最悪な凍てつく状況を打破する事ができるのか?
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