第375話 effective medicine
『ゾンビバレンス・エターナル』
メルデス神父の能力。対象をゾンビにしちゃう能力だった。
『ゾンビってさ、怖いイメージだったんだけど、ビアンカちゃんを見る限り、そんな感じは全然しないねー』
メルデス神父はビアンカが吹き出した泡を、ハンカチで優しく拭き取っていた。
「よく目にする醜いゾンビは、腐った死体を蘇らせたもの。なので不気味な見た目なのです。しかし、この子は死んで間もなくゾンビにしたので美しいままなのです」
『動く死体は全部ゾンビなわけね』
メルデス神父がビアンカの手首で脈を確認して、頷いた。
「ビアンカさんの生体機能はすべて停止しています。命令がなければ動く事もない。僕ちゃんのゾンビバレンスで死んでも腐る事のない美しいお人形さんが完成したのです」
『そっか、よかったね!』
「このお人形さんを『永遠のレディードール』と僕ちゃんは名付ける事にしました。お友達も早く増やしてあげたいです」
そう言いながら優しく微笑むメルデス神父は、どこから見ても敬虔な神父様に見えた。すると突然メルデス神父の呼吸が乱れ始めた!
「うう、はあ、はあ……!」
『どうしたの? 大丈夫?』
「仕方のない事ですが、今日は普段と異なり、生きた人間と、うわべではない会話をし過ぎました。その為に、恐怖症の症状が、出てきて、しまいました。はあ、はあ……」
『あらら! 早くお薬飲まなきゃ!』
「ここまでになると、安定剤は効きません。エルフリーナ氏、キッチンからコップを、持ってきてくれますか? はあ、はあっ!」
『はいなーっ!』
私は急いでキッチンからコップを持ってきてメルデス神父に渡した。
ゴソゴソ
私の目の前で、今まで1度も見た事のない光景が繰り広げられた。
ジョボボボボ、ジョボボボボ
メルデス神父は手を震わせながら、そのコップに自分の尿を注ぎ始めた。そして、それを一気に飲み干した。
「んぐっ、んぐっ、ぷはあ……」
『だ、大丈夫なの? それ?』
「おいしくはありません。ですが、どうしようもない時はこれが1番効くのです。即効性もあるので既にだいぶ楽になりました」
『……よかったね!』
世の中、広い。
ちんこ、デカい。
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