第371話 doll delivery service

『あれが、メルデス神父のお人形さん候補か。かわよ』


 メルデス神父によると、その子の名前はビアンカ。19時にはバイトを終え、帰宅するらしい。現在時刻は18時50分。ビアンカは、閉店の準備をしていた。


 私は体を蚊の大きさにして店内に侵入。ビアンカの頭髪に紛れこんだ。


「ビアンカちゃん、今日もありがとね。極みカレーパン持ってっていいから!」


「やったー♡ 今日は奇跡的に売れ残ってくれたんですよね。夕食に頂きますー♡」


「はいね。明日もよろしくね!」


「はーい! お先に失礼しまーす!」


 店内でそんなやり取りをしていたビアンカは、帰宅前にトイレに入った。よし。ここで拉致る。おしっこは終わるまで、待っててあげる♡


 チー

 

 チョロ、チョロ


「はあ、すっきりした♡」


 ガラガラガラガラッ!


 ガラガラガラガラッ!


 ふきふき ふきふき


 可愛いのにトイレットペーパーの巻き取り方が乱暴な女。結構いるけどさ、あまり品がいいとは言えないね。


「よいしょ。さ、帰ろっと」


 よし、パンツも上げたね。じゃあ、いくよ。小さくなーれ!!


 パヒュンッ!


「ふう。あれ? ここどこ? ん? トイレでかっ!! なにこれ!?」


 状況が飲み込めずに驚くビアンカの前に、私は静かに降り立った。


 すー…… スタッ!


『どうもー。あなたがビアンカさんで間違いないよね?』


「だ、誰ですか? これは一体どゆことですか!?」


『私たちの体はいま、蚊のレベルにまで小さくなってるわけ』


「あはは。マジで? な、なんで? も、元に戻して欲しいな〜」


『そうはいかない。あなたは選ばれたの、ある人にね。光栄なことよ♡』


「なんですかそれ? いやです!」


『あなたは可愛いお人形さんになるの。ふふっ、せいぜい可愛がってもらうのね♡』


「お人形……っ?」


『そう。ひとまず眠ってね♡』


 ブチュウッ!


「んんん……! んっ♡」


 私はビアンカにDなキスをし、エチエチ成分を流し込んだ。みごとに気を失わせることに成功。殴って気を失わせたりしたら、メルデス神父は間違いなく怒るし。お人形さんは無傷でお渡ししなくちゃね。


 私は気を失いぐったりとしたビアンカを抱え、トイレの窓の隙間から外に出た。それと同時に体の大きさを小鳥ほどに変え、猛スピードでメルデス神父の家に向かった。


 シュンッ!!











 時刻は19時13分。我ながら完璧な仕事ぶりに惚れぼれする。


 コンコン


「はい。どちら様ですか?」


お人形配達便ドールデリバリーサービスです♡』


 ガチャリ


「エルフリーナ氏、中へ……」


『はいなー♡』


 私はメルデス神父のご自宅へ、ビアンカを抱えたまま入った。一体なにが起きるのか超楽しみ。だから変態って嫌いじゃないんだよね。わくわく♡

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