第361話 he's coming
早いもので私は中学3年になった。ロリコンのおっさん達とのSEXはもちろん続いていた。でも、小6の頃と比べるとお客さんの数は確実に減ってきていた。
そして月日は流れ、卒業式が迫った2月のある日、叔母が連れてきた男は今までの男とは少し違った。
まず、身なりがめちゃくちゃ整っていた。身につけているものは全てが高級品。清潔感も半端じゃない。タバコの臭いなんて一切漂わせてはいなかった。
「じゃあ、1時間で終わらせて下さいね。たーっぷりお楽しみ下さい」
そう言って叔母は部屋を出て行った。
バタンッ!
私とその男の2人きりになった。
「おじさん、舐めたい人? 舐められたい人? 先どっちにする?」
私はいつもと変わらず、ぶっきらぼうに聞いた。するとその男は全く予想もしなかった返事をしてきた。
「君……」
「え? なに?」
「君はとても運がいいよ」
「は? 何言ってるの? 運?」
このタイプか。はいはい分かりましたよ。プライド高い系ね。まずはエロとは関係のない話から入る奴。
仕事の話だったり、学歴の話だったり、今まで抱いた女の話だったり。自分がロリコンだって事をぼやかす為に敢えてこの場に必要のない話をする。
ダサい男。
この場に変なプライドなんか持ってくんな。お前はロリコンなんだよ。どんだけカッコつけたって変態ロリコン野郎なんだよ。あーあ、ガッカリ。少し見た目がいいから期待してたのに。
「知り合いにね、風俗にやたら詳しい人物がいてね。ここを、君を紹介されたわけなんだ」
「ふーん。中学生とやれるって?」
「ああ。僕はね、性的な事には貪欲な方でね。いろんな経験をしてみたいと思うたちなんだ」
「ふーん。それは、いいんじゃないですか……」
プライド高い系じゃない? じゃあさっきの運がどうのこうのって何?
「しかし、僕は君とSEXをするつもりはない」
「え? なにそれっ?」
笑いながらも私はビビっていた。下手をすれば殺されるかも知れないと思ったからだ。そういう事に性的興奮を覚える人間もこの世には少なからず確実にいる。
「さっき僕は君は運がいいと言っただろう? それはなぜか? 知りたくないか?」
「し、知りたいと言えば知りたいし、知りたくないと言えば知りたくない」
「あはは。その心理も分からなくはないが、君は聞くべきだ。君の命に関わる事柄だからね」
「わ、私の命っ?」
男は背広の内ポケットから名刺を取り出し、私に差し出した。
「よろしく」
「ど、ども……」
その男の名は、ハンス・エルリッヒ。
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