第359話 スクールカースト
あの日から、毎日のように私の体を求める男達の相手をする事になった。世の中なんとロリコンの多いことか。
おまけに障害で下半身が動かないというのも、さらに征服欲が満たされるらしくポイントが高いらしい。
あそこのヒリつきや痛みもじきに落ち着いた。ただ、口の臭いおっさんだけは許せないので、SEX前の歯磨きと薬剤のマウスウォッシュは徹底してもらった。もちろん爪切りもだけど。
え? おっさんとのSEX、嫌じゃなくなったのかって? オーケー。教えてあげる。
人間は慣れてしまえばなんでもただの習慣になる生き物なんだよ。おっさんとのSEXももう既に日常になってる。水を飲むようにフェラするし、呼吸をするようにGATTAIする。
でもね、噂ほどの気持ちよさはない。SEXってさー、もっと気持ちいいんだと思ってた。こんなものの為にお母さんは人生を棒に振ったの?
そんな思いを抱きつつ、男に体を提供する日々が続いた。そして私はSEXを日常に引っさげ、中学生になった。
小学校と同じ系列の中学校に私は入学。小学校の時と同じく、楽しい学校生活を送れると思っていた。
でも、それは違った。
とはいえ、陰湿ないじめがあるとかそういうのではない。あったのは『スクールカースト』だった。全くもってくだらない。お前らなんてどれも似た様なその辺の石っころと同じだっつうの。上も下もない。
ちょっと自己主張が強くて、顔が良い奴等は自分達がクラスを仕切るんだと躍起になる。たいした主張でもないくせに調子にのるんじゃないっての。
周りが大人しくお前らに仕切らせてやってるだけ。黙っている奴等の方が実は中身がしっかりした大人だったりする。
小学6年の大半を様々な大人とのSEXに費やしてきた私とって、同世代が築く幼稚で狭い『学校という名の社会』は、吐き気がする程にくだらなく感じた。
特に私を勝手に見下し、自分を引き立てる道具にしようとしてくる奴等はムカついて仕方がなかった。
「ちょっと! あなたたち! マリーさんが通れなくて困ってるんだけど。どいてあげなよっ! まったく! 気づきなよ!」
別にお前が言わなくても、今 みんなどいてくれようとしてたわ。ばか女。
「そこの男子っ! 足が不自由な人の前で走り回るなんて馬鹿じゃないの! デリカシーなさすぎっ!」
んな事言ってるお前の方がデリカシーがねーんだよ。あほか。
「右足を出して、左足出すと〜、歩けるッ! あたりまえ体操〜! あはははッ!」
「ちょっとあんたたち、マリーさんに聞こえないようにやんなよ。マリーさん傷ついちゃうから……」
おいおい。なめんなよ。そんなお笑い芸人のネタごときで傷つかねーわ。殺すぞ。てめーのその声が聞こえてんだよ。満粕女。
「マリーさん、なんでも困ったことがあったら言ってね。私達がついてるから!」
「そうそうっ! このクラス、マジでトロい奴多いからマリーさんいつも困ってるもんねえ」
「私達、めっちゃ気づくタイプだから。バリアフリー半端ないし!」
「なにそれっ! あはははッ!」
「マリーちゃん、お肌荒れてるよ。ちゃんとお手入れした方がいいよ!」
「そ、そうだね。ありがとう……」
車椅子の私はスクールカーストの底辺にいるようだ。まあ確かに、運動はもちろん、学力も顔も平均以下だし、特に秀でた部分もない。
この中の誰よりも『SEXをしている』ということだけが私の取り柄だった。その点では誰にも負けない。そう思っていた。
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