第358話 叔母さんのお仕事
深夜、私の部屋の明かりを付けたのは叔母だった。起きた私の前に知らない男と共に立ち、笑顔で私を見ていた。
「お、叔母さん、なに? その人は誰?」
私に気持ち悪い笑顔で『おはよう』と言ってきたその男は40ぐらいのおっさんだった。軽く禿げててシワっぽい顔。非常にたばこ臭い。
「マリーちゃん。この人はね、お客さんよ」
「な、なーんだ。お客さん? こ、こんばんは……」
お客さんと聞いて少しホッとした。でも、それは間違いだった。
「マリーちゃん。今からこのおじさんとSEXするからね」
「え?」
叔母さんは何を言っているの? このおっさんとSEX? わ、わざわざそんな事を私に伝えなくても勝手に自分の部屋ですればいいじゃんっ! なんで私を起こしてまで そんなこと……
!?
私は背筋が凍った。震えながら私は叔母に確認した。
「え? それって叔母さんがするんじゃなくて?」
「違う違うっ! マリーちゃんがこのおじさんとSEXするのっ! 今からっ!」
ガツンッ!!
何かで頭をぶん殴られたような感覚。よほどのショックを受けた時にあるって言うけど本当なんだ。
カチッ!
叔母はタバコに火を付けた。
「ふー。あー、マリーちゃんに教えておくね。叔母さんのお仕事ね。売春の斡旋なんだわ」
「ばいしゅん? あっせん?」
「そう。大体分かるよね? 簡単に言っちゃえば、男の人にマリーちゃんとSEXさせてあげるお仕事かな?」
「そ、そ、そ、そんなのっ! 仕事じゃないよっ!」
だって! だってお母さんはあんなに毎日頑張って働いてッ! それでもお金がなくって! 狂っちゃ……
「実はあの事件の少し前にね。マリーちゃんのお母さんに許可もらってんだわ。ふうー」
「きょ、許可っ?」
「そそ。金に困ってるって言うから、じゃあマリーちゃん貸してくんない? って」
「わ、私を貸すって……」
「姉さんは私のやってる事を知った上で 我が子を金の為に売ったのよ。Do you understand?」
「そ、そ、そんな……え?」
「あの日はマリーちゃんを受け取りに行く日だったの。そしたら姉さん マリーちゃんを殺そうとしてたじゃない? 焦ったわ。商品傷つけんなって。ふうー」
「あ、あの日? 私を?」
叔母の話を聞いて私は思った。
ひょっとして母は、お金の為に我が子を売った自分が許せなくて狂ってしまったんじゃないのかと。
真実は分からないけど、もしそうだったのなら完全なる悲劇。
「なあ、もう我慢できねぇって。いいだろ? 足動かねぇんだよな?」
キモいおっさんが、服を脱ぎながら叔母にいろいろ確かめ始めた。
「そうよ。下半身麻痺のピッチピチの12歳。顔は中の下だけど胸はデカいよ!」
ペニギンの全裸のおっさんがベッドに飛び込んで来たッ!
ギシィッ!!
「ひいっ! やだあっ!!」
「あははぁっ! 贅沢は言わねぇって! 俺は動けねぇ方が興奮するからよぉ! おまけに12歳だろ? 多少のブスでもおいしく頂くぜっ! はああ♡」
「きゃああッ!! やめっ……」
そのおっさんは嫌がる私の衣類を無理矢理脱がして犯した。その後は性器の痛みと恐怖で、まともに寝る事はできなかった。
『障害は武器になる』
『障害と巨乳の二刀流』
「……そういうことか」
これが私の最悪の始まりとなった。
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