第353話 第2次成長期

 私の名前はアンネマリー・クロイツァー。両親が離婚した為、姓がヴァルギナから母の旧姓であるクロイツァーになった。


 私は車椅子だったが、特別支援学校ではなく一般の小学校に入学した。校長の教育理念に基づき入学が許可されたんだ。



 いじめ?


 ないない。



 クラスのみんなは自分が障がい者だということを忘れるくらいナチュラルに接してくれた。楽しい学校生活を無事に送ることができたんだ。様々な行事をみんなと一緒に頑張った。


 動かない足だけど、車椅子だけど、劣等感なんてなかった。日々、成長していく自分を感じられる。そんな自分を母も喜んでくれていた。


「マリーをあの学校に入れて正解だったわ。いいお友達がたくさんできたものね!」


「うん。毎日楽しいっ!」


「見てて分かるわ。マリーの笑顔がお母さんの元気の元なの。勉強も運動も頑張ってね!」


「マリーの笑顔が? お母さん、マリーの笑顔で元気になるの?」


「そうよ。きっと私だけじゃないわ。みんなマリーの笑顔が大好きよ。女の子は笑顔が大事なの。笑顔の絶えない女の子になるのよ!」


「うん、分かった。あはは!」









 










 そして、私は小学6年生になった。体つきも少しずつ女らしくなってきた。特に胸は成長著しかった。












「はいっ! マリーちゃんの番っ!」


「ど、どれにしようかな……んじゃーこれっ!!」


「あははっ! それがババだよー! はいっ! 私の勝ちー!」


「あー! また負けたー! 私、ババ抜き弱すぎる……」


「じゃあ今度は大貧民やろう!」


「うん!」


「あっ! 僕も混ぜてー! だは!」


「いいよー! って、ミハイル君! 鼻血でてるーっ! あー!」


「うわっ! ほんどだー! うわー! 誰かー! テッシュちょーらい! ふおおおっ!」


「あはははっ! はいっ!」


「たんきゅー! マリー!」


「ミハイル君さー、女子とトランプするだけで興奮しないでよー! 相変わらずエロいんだから!」


「だははっ! 第2次成長期なんだよなー! だははっ! お前らのおっぱいが大きくなってきてるからいけないんだじょ! おっぱいハリケーンだじょっ! だはは!」


「なにそれ……ハリケーンて」


「マリーちゃん! 相手にしちゃだめ! それで喜んでるんだから! 無視無視っ!」


「だははっ! おっぱいハリケーン! お尻ダイナマイッ! 第2次成長期により女子の体は丸みを帯び、柔らかくなるのだッ! ふおおおっ!」


「馬鹿のくせに保健体育だけ覚えがいいとか……いるよねー、こういう奴」


「男ってホント馬鹿だよねー! 死ねばいいっ!」


「あははは! マリーちゃん毒舌!」


「あはははっ! 去勢、去勢っ!」


「馬鹿だじょー! だはははッ! 去勢ってなに? ねぇ、マリー! おせーて! おせーて!」


「マリーちゃん逃げてっ! ミハイル君マジでキモいんですけどーっ!」


「あっー! ミハイル君のあそこ膨らんでるしー!! 変態ッ!!」


「だははっ! 変態だじょー♡ もっこり、もっこり、もっこり祭りっ!」



 こんな楽しい日々の中、事件は起きたんだ。


 

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