第349話 女型の巨人
ネル・フィード……いや、ゼロはエルフリーナのエクストラ・バージン・パイズリの快楽の波に飲まれ、イジャキュレーション一歩手前まで追い込まれていた。
ずりっ、ずりっ、ずりっ♡
「も、もうダメだ、イッちまうっ! ぐああっ!」
(も、もう、楽になりたいっすぅ……)
その時ッ!!
ガチャリッ!!
「ぷひー。結局どこにもいなかった。やっぱりここにもいない。受付の出っ歯に聞いても退室はしてないって言うし。ネルさんどこ? いるのー?」
ビクゥッ!!
「あわわっ……!」
しゅうううぅぅぅん!
びっくりしたゼロのペニスは一気に縮んだ。エチエチの快楽倍増効果もアイリッサの登場のおかげで瞬時にかき消された。
負け確定のピンチを救ってくれたアイリッサに感謝しながらも、状況が状況。みつかるんじゃないかとゼロはヒヤヒヤだった。
「ヤ、ヤヴァいって!」
『にゃはは。ちっちゃくなっちゃったし。しょうがない、一時休戦ね♡』
体の大きさは蚊ほどとはいうものの、ふたりは裸のままクッションのさらに奥の影に隠れることにした。
「ぷひー。おっかしーなー」
くんかっ! くんかっ!
ふうんっ!!
しゅごおおおっ!!
※すべて鼻息です。
ドスンッ! ドスンッ!
ドスンッ! ドスンッ!
※これは足音です。
アイリッサは鼻をひくひくさせながら部屋中を歩き回る。そして、ある一点で視線が止まった。
ギロリッ!
※ある物をロックオンです。
ドスンッ! ドスンッ!
「ぷひぃ……! ぷひぃ……!」
※獲物を狙う肉食獣の息遣いです。
ぐああああああああッ!!
※ある物に手が伸びる音です。
ぐわしっ!!
女型の巨人、アイリッサがソファーの上のクッションを掴んだ!
「ズーバーリー! こーこーでーしょーおー!!」
※野太いスローな声をご想像下さい。
ぶあおおおおおうっ!!
ゴオオオオオオッウッ!!
※ただクッションを持ち上げてるだけの音です。
女型の巨人アイリッサはソファーの上のクッションを持ち上げた!!
「ぷう。んなわけないか……」
持ち上げられたクッションはふたりが隠れている方ではなく、もうひとつの方だった。
「はあ、はあ!」
(あ、あぶねー! いくら小さくてもアイリッサなら気付きかねないからな。頼む! もう1回部屋から出て行ってくれー!)
ゼロは自分が神不要論者であることも忘れ、なにかに祈っていた。
男とは純粋に愚かな生き物。
『にゃはは! ゼロさん、このまま元の大きさに戻ってみるってのはどう? 面白そう!』
「そ、それはディストピアよりも恐ろしい世界が訪れそうだから やめてくれ……」
ぺたりと座り込んだゼロは、なぜか女の子座りだった。
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