第336話 萌えチャージ

 メイドカフェ『peachピーチ Creamクリーム』のプレミアムメイドchiepinちえぴんさんのメニュー紹介はドリンクに続き、お絵かきメニュー、デザートメニュー、アミューズメントメニューへと続いていくのであった。


「はーい♡ こちら『ぴよぴよぴよ♡ ぴよこちゃんらいす』でーす!」


「ぴ、ぴよ? ぴよぴ?」


「はい。こちらはトロトロのたまごを開いて、私がケチャップを使って、かわいくお絵かき致しまーす♡」


「おおー、chiepinちえぴんさんがお絵かきしてくれるんですか? いいですね、ぴよこちゃんらいすかー、へえー♡」


「ぷっ……」

(ネルさんがぴよこちゃんらいす? ぷっひー! ヤヴァイ、笑いが……)


「そして、デザートなんですけどぉ、オススメがこちらの『スーパーピーチあいちゅ』と『デラックスピーチあいちゅ』になります♡」


「あいちゅ? アイスじゃなくて?」


「はい、あいちゅです♡ で、このあいちゅを食べるとにかかっちゃうんですけどぉ、ご主人様は覚えていますか〜?」


「ある魔法? なんだろう、なんやったっけな。昔、1回使ったような?」


「ネルフィー、思い出して!」

(考えてる考えてる。ネルフィーなにを言う? このお題はなかなか難しいですよー。IPPON取れるかな?)


「あっ! 思い出しましたよ! 確か『朝キャバのアフターでおじさんたちと草野球をしていたら、時速240kmの豪速球を捕れるようになっちゃった魔法』だったかな?」



『IPPON!』



「ぷぷっ!」

(それって『激レアさん』やないかーい。ってネルさんも見てるんだ♡)


「ぶー! 違いまーす。実は私もその魔法にかかってるんですよ♡ 正解は……『永遠のじゅうななちゃいになっちゃう魔法』にかかっちゃうんですー♡」


「えー? 17歳になれんの? 欲しい欲しい! 食べたい! もう自分、今年で30なるし。早く17歳に戻りたい! スーパーピーチあいちゅが食べたい!」


「私もー!」

(ネルフィーめっちゃ若返りたがっとる!)


「はーい♡ で、お次がアミューズメントメニューになります」


「アミューズメント?」


「はい♡ メイドと記念撮影ができるんです。世界に1枚だけの萌え萌え〜なお写真を撮ることができちゃいます♡」


「うおぉ、最高ですやん……!」


「くっ……ぷぷ」

(もはやキャラ崩壊してるし……)


「そのお写真を持っていれば、いつでも、どこでも、萌えチャージをすることができちゃいます♡」


「萌えチャージ?」


「はい♡」


「なるほど、そういうことか! エネルギーにしていけと! 萌えの力を!」


「そうですそうです♡」


「もうお守りみたいに股間にしまっときますよ! あっはははっ!」


「やだー! ご主人様ったら♡」


「……ぷひぃ」

(調子乗ってんな。ネル・フィード!)


 ネルフィーとアイリはこの後、コースメニューを注文し、全てを堪能した。もちろんchiepinちえぴんさんとのツーショットチェキもネルフィーは撮ってもらったのだった。



「いってらっしゃいませー♡」



 そしてふたりはお屋敷を出発した。






「どうでした? 人生初のメイドカフェは? ネルフィー!」


「よ、よかたかもしんない♡」


「そーですかー。よかったですねー。chiepinちえぴんさん可愛かったですもんねー」

(デレデレしちゃってさー。ぷー!)


「萌え萌え……か♡」


 ネル・フィードはチェキを股間にしまうと『今度はひとりでメイドカフェに来てみようかな』と思った。


 そんなこんなでエルフリーナとの約束の時間まで残り1時間2分。

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