第328話 エルフリーナ確定

 深夜、ミロッカの悪夢で目を覚ましたネル・フィードは、スマホに届いたメッセージ通知に気づいた。


「こ、これは……」


 ネル・フィードはスマホを手に取った。そこにはヴァルギナを名乗る人物からのメッセージが届いていた。


【メッセージありがとうございます。この度、エチエチ希望者の中からエルフリーナが選んだのはゼロさんでした】


「よし。うまくいったようだな」


【本日、午後13時、首都ルベリンのアーキヴァハラにあるネットカフェ『コットンラビッツ』にてお待ちしています】


「13時……コットンラビッツ」


【個室に入りましたら、部屋番号を連絡下さい。エルフリーナが伺います。よろしくお願いします】


「なるほど。そういう感じなのか」


【エルフリーナとの素敵な時間をお過ごしください。尚、別人物及び、連れの方がいらした場合は今回のお約束は無効とさせて頂きます。ご了承下さい】


「と、いうことは、アイリッサはネットカフェには入れない? 困ったな。天使の嗅覚がないと闇の能力者かどうか断定できない!」


 そう思ったネル・フィードだったが、よーく考えたらそんな心配はいらないことに気づいた。


「そうか。とりあえず、アイリッサには別の部屋に入ってもらって、俺がエルフリーナを呼んだあたりで通路に出て臭いを確認してもらおう。そして、その結果をLINEで知らせてもらえばOKなわけだ。よしよし!」


 ネル・フィードの全集中で書き上げたメッセージは見事にエルフリーナの心を動かした。果たして彼女は闇の能力者なのだろうか? それともただのエッチな殺人姫さつじんきなのだろうか? 


「さ、さて、とりあえずもう少し寝ないと……」


 時刻は午前3時。ネル・フィードはミロッカの夢を見ないことを祈りつつ、再びベッドで横になった。

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