第326話 in the bathroom

「じゃあ兄貴。俺、帰りますね!」


「ハイドライドさん、ありがとうございました。また明日、連絡します」


「はいっす! 失礼します!」


 ハイドライドの協力のおかげで、なんとか満場エッチへの登録とヴァルギナへのメッセージ送信をやり遂げたネル・フィードは風呂に入った。



 ザバーッ!



「うっ……ああ〜♡」


 熱めの湯船に浸かり、ネル・フィードは今日1日を振り返った。


(はあ、だめだ。消したはずのアイリッサへの気持ちがどんどん大きくなってるじゃないかっ!)


 パシャッ! バシャッ!


「はあ……」

(協力しながら戦っているせいもあるんだろうが、なんなんだよ 今日のあのパンツスタイル。いいお尻だった。できるだけ見ないようにはしていたんだが……)


 ちゃぽ……


(俺は腐神喰い。ミューバを宇宙のことわりから解放する為に活動している。ミューバ人と恋愛をしに来たわけじゃないっ!)


 ちゃぽ……


(俺はこの戦いが終わったら腐神を喰って第3ミューバここを去る。別のミューバにもいかなくてはならない!)


 パシャッ!


「ふう……!」

(アイリッサやハイドライド。今回は特にミューバ人と仲良くなりすぎだ。悪魔の登場のお陰で完全に予定が狂ってしまった……)


 ちゃぽ……


(ホラーバッハの死。それを見て食欲が失せたのも、ミューバ人と仲良くなりすぎたせいだ。原因はそれ以外にない)



 ポチャン!



(今回 宇宙警察の目を眩ます為にネル・フィードを選び、なりすましたのは失敗だったのか? いや、別の人間だったらアイリッサが天使の力に目覚める事もなく、この世界は闇の能力者に征服されていたんだろう)


 ちゃぽ……


(俺1人では、闇の能力者には勝てないのだから……)


 ザバ─────ッ!


(明日はネカフェ売春のエルフリーナが相手。ば、売春というワードはアイリッサの前ではとりあえず控えておこう……)



 ゴシゴシゴシッ! ゴシゴシ……



(でも確かアイリッサ、パリスヒルに行く電車の中で変なYouTube見せてきて興奮してたな。ポンコッツチャンネルだったか? 風俗潜入レポートが面白いとか……)


 ザバーッ!


「はあ……」

(可愛いのに独特なんだよ、いろいろと! ぷひーとかやめてくれ! 可愛すぎるからやめてくれっ!)


 ガチャ バタンッ!


「ふう。気持ちよかった〜」

(アイリッサの好きなポンコッツチャンネル。少しだけ見といてやるか。一体どんなんだろ?)




 プシュ!


 ネル・フィードはビールを飲みながらポンコッツチャンネルを再生した。


















『あはははッ! どうでした? 無事ですかっ?』


『無事なわけ……ないやろっ!!』


『あはははっ!!』


『お値段以上があった! 想像を遥かに越えて来たっ!!』


『おおっ!!』


『ノーワーシャー! ガチ即ッ!』


 ネル・フィードはなんとも言えない笑顔でポンコッツチャンネルを見続けた。そして、ついにカーター君の決め台詞が炸裂した!


『最後は6+9からのエヌ正常石井せいじょうい しいで、!!』


『スプラッシュしたんすね!』


『……したっ♡』




「アイリッサが言いかけてやめてたやつってこれか! 『ファイナルスプラッシュ!』ね。まぁ、アイリッサがおもしろがる気持ちも分からなくはないかな。ちょっと見ちゃうな、これ」


 布団に入りながら明日『ポンコッツチャンネル見たよ』とアイリッサに言ってあげようと決めたネル・フィードだった。

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