第322話 ポンコッツチャンネル

 あなたは覚えているでしょうか?


 アイリッサがパリスヒルへ向かう電車の中で、ネル・フィードに見せたお気に入りのYouTubeの事を。


 お忘れの方の為に、その時の映像がございます。ご覧ください。

















 第282話「パリスヒルへ」より



「ここからは少しかかりますね。4時間。私は小説を持ってきましたよ」


「私はスマホでゲームしたりYouTube見たりしてますよ。最近ハマってる動画があって! ぷひひ♡」


「はい。ではお聞きします。その動画とは?」


 びしっ!


「これっ! ポンコッツチャンネルでーす! 『月収20万! 底辺サラリーマンのスプラッシュ・カーターの突撃! 風俗潜入レポート』が超っ! 超面白いんですよぉ〜!」



 

 ガタンゴトンッ!












 ガタンゴトンッ!













 ガタンゴトンッ!












「…………で、では、私は小説を読み

ますので。アイリッサさんもご自由にどうぞ」


「いやいやいやっ! 本当に面白いんですからっ! 無事に戻ってきたカーター君の決め台詞ッ! ファイナル……」

(はっ! しまったっ! こんなんだから私はネルさんに女の子として見られないのかもおっ?)



 


























 思い出して頂けましたでしょうか?では、本編の続きをどうぞ!





「ぷっぷひ〜♡」


 アイリッサは帰宅後、お風呂を済ませ、いつものようにアイスを食べながらスマホを手に取った。


「ふうっ、あっ! ポンコッツチャンネルの新着だ! わーい♡」



 アイリッサはいちごミルクバーを味わいながら動画を再生した。





















『カーター君っ! 今日はのJKリフレ行ってみよー! 今日も日和びよりやでっ!』


『日和じゃないっつーの! だから言ってるし! 僕はJKリフレは好きじゃないって!』


『でも30分 3,300ルーロ! なかなか良心的なお店だからっ! ね!』


『もうっ! んな事言われても僕は前回の疑問やモヤモヤが解決してないからッ!』


『カーター君! 今日は店舗型じゃなくて派遣型だからっ! 頑張って!』


『今回は絶対に3,300以上ビタ一文払わないからねッ! じゃあ、行くがなっ!』


 潜入調査をする前のカーター君とDとのやり取りをアイリッサは満喫していた。


「カッ、カーター君がバドミールハイムにっ!? えー! 超会いたかったんですけどー! ちくそー!」


 ここバドミールハイムにカーター君が来ていたというっ! アイリッサはワクワクが止まらない! スマホ画面に釘付けになったッ!







『カーター君ッ! 今回は無駄にオプション代払わないでよッ! あははは!』


『あほたれ! ビタ一文払わないっつーのッ! ほな行ってくるわ!』


『いってらっしゃいッ!』






















 カーター君、実践調査中♡







































『どうでした?』


『……地獄やったわ!』


『ええっ?』


『ホテル入って電話かけました、そしたらめちゃくちゃ対応がいい! で、言うわけっ!』


『なんて言われた?』


『ありがとうございます。今回、半額キャンペーンを行っておりまして30分のお値段で60分お遊び頂けますって言うわけよ! ほんまかいな! 激安ッ!』


『いいじゃないっ! で?』


『まあね! 僕も値段変わらずに60分実践調査できるならその方がいいかと思ったわけ。だからじゃあお願いしますと言ったよ! 値段一緒やから!』


『安いからね! んでんで?』


『程なくして、コンコン! ガチャ! 激かわっ! 一目見て10代!』


『おおっ!』


『最初に3,300ルーロ払うわけ! で、そこから驚きの連続! セーラーで来ると思いきや私服で来てお風呂で着替えて登場!』


『へえっ!』


『で、今度は僕に『シャワー浴びてきて下さい』って言うわけ! えっ!? リフレやろ? リフレなのになんでワーシャー浴びなあかんねん!』


『あはははッ! それどういう?』


『そして『紙パンツ履いてきて下さい』っちゅうわけよ!』


『はあっ? なになにそれ!』


『チャイエスちゃいますから! と思ってたら『紙パン忘れちゃったんで今、履いてるパンツを履いて出てきて下さい』って言われて……ちょっと動揺!』


『あはははッ!』


『で、言われるがままにワーシャーしてパンイチで戻ってきたわけ』


『何が始まる?』


『でっかいベッドにパンイチでドーンと寝っ転がったら、そのかわい子ちゃんが至近距離に来てマッサージしますか? って聞いてきた。じゃ、お願いしまーす! って言ったら1ミリもマッサージとは呼べない、おさわり!』


『おおっ、ほほほっ!』


『頭が混乱したけど、僕の目的は調査だからッ! ちなみにその子は高校卒業したてのピッチピチのエイティーン!』


『うわっほうっ♡』


『僕は聞いた。君はいくらで何ができるの? って。そしたら、逆に『お兄さんはどこまでしたいんですか?』と聞き返してきたッ!』


『あはははッ! 挑発的ッ!』


『僕はしたいがな! と言ったよ。駆け引きであり、調査だからね! そしたら、『私は全部できますよ』ときたもんだッ!』


『おー!!』


『FもGATTAIも? 僕のその質問に対する返事は……イエスッ!』


『きましたなー!』


『そうなんだけど、リフレで大事なのは そのプラスαの時の値段!』


『気になるねー!』


『全国のふうファンの皆さん! 腰を抜かす準備をしてくれ!』


『えー? どうどうっ?』


『なんとF……20,000ですッ!』


『うおわっ! たっけー!』


『じゃあGATTAIは? 気になりますよね? はい! 40,000です!』


『マジでッ!?』


『そう! 激高ッ!』


『そんなん高級泡じゃないの!』


『それってどのぐらいの人が注文するの? って聞いたら『結構みんなするかな?』って言いよるわけですよ』


『そうなんだ』


『で、ここからみなさん、地獄のショータイムの始まりッ!』


『あっはははッ!』


『ちょいさわ、激かわ、エイティーンが挑発しまくりッ! さらに耳元で……『しよ♡』』


『おおおおお♡ 言ってくるんだ?』


『もう、今すぐタイマー鳴って終われッ! て思った!』


『あはははッ!』


『ただ僕、60分選んでもうたから、まだまだ時間あるわけよー!』


『あー! そうだっ!』


『調査の為のプラス30分のはずが、ただただ地獄の長引く30分。激ツラ』


『あはははッ! やっちゃったら高いからねぇ!』


『何度ベッド降りたり、乗ったりした事か。だってベッド乗った瞬間めちゃ誘惑されちゃうから!』


『うわぁ、耐えれたのか〜?』


『なんでか分からんけど、ずっと謝ってるみたいな状態。でもエイティーンが言うんよ。手を広げて『ねえ、おいで♡』って!』


『うわ、キッツイっ!!』


『ベッドに横になったら顔くっつけてきて『したいんでしょ? 私はしたい。ねえ、しちゃおうよ♡』だよ?  うああああー!! 待ってくれぇぇええ!』


『うおおっほ!』


『値下げ交渉してみたら、Fの2万は断固値下げなしッ! だから聞いてみたんよ。その基本の3,300のうち君にいくら入るん? って。そしたら500だって!』


『えー!? そんな安い?』


『僕の中では半分くらいは入ると思ってた。鎌かけてるのかも知れんけど』


『そうやなぁ』


『ひょっとしてこれは『オプション代』ないとバイトとして成り立たないんじゃないか? と思ったわけよ』


『心配になっちゃった?』


『僕がそんな気持ちになってる所にエイティーンは『そのビンビンのキノコが我慢できるわけないじゃん!』って言いながらスカート捲ってパンツ見せつけてくるんだよ! また『おいで♡』って言いながらだよっ!』


『うわぁ、どうなるっ?』


『そのパンツ1枚隔てて、僕の地球上の1番硬い鉱物と同じ状態になった75度に反り立つキノコとエイティーンの股が触れ合ったっ!』


『わー! もうだめだー!』


『『そのままインしちゃいなよ♡』エイティーンはそんな事言うんや!』


『あー! うわー! あははは!』


『こんな苦行ありますか? マジで死ぬかと思った。本当に鉄の意志がないとやられます! 僕の苦しみが今、全国のふうファンには絶対伝わってる!』


『だろうね! うーん!』


『エイティーン! ピッチピチ! 激かわッ! 耳元でしよ♡ この連続攻撃に対する、僕の出した答えは……次に来た時は指名して全部やったるね! そう言って僕は去りました!』


『おー! 耐えたー!!』


『スプラッシュも何もしてないのに、信じられないくらい、ぐったり!』


『いやぁ、見事に調査し終えたじゃん! お疲れ様!』


『JKリフレはだんだん摘発されてる店舗も増えてるからね。僕はもちろん、リフレ本来のサービス以上の事はしてないから。今回は人間の我慢の限界を知った。そんな感じだったね。なので今回はノー・スプラッシュでフィニッシュ! 以上です!』


 アイリッサはアイスを食べ終えた。


「カーター君、やるぅ〜♡」



 そして、次回予告が始まった。












『次回のポンコッツチャンネルは……『ネカフェ買春のエルフリーナ』の闇を暴くッ! お楽しみに!』




 ガサ、ガサリ!


「2本目はどれにしよっかなぁ? んーと。あっ、これにしよ! ティラミスチョコ! ぷっひー♡」


 アイリッサは予告を見る事なく、冷蔵庫の前でアイスを選んでいた。

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