第280話 もってる男
ハイドライドの言う『黒い翼』の男。その話にはまだ続きがあった。
『兄貴、アウトドア派は警察も見つけあぐねている、そのくそヤベェ野郎の居場所をご自慢の情報網で特定したっすよ!』
「本当ですか!? アウトドア派さん。すごい人だな……」
『アウトドア派の知り合いに、夜空を撮る専門の写真家がいるらしいんす。そのお方がいつもみたいに深夜の夜空にカメラを向けていると、翼の生えた男が飛んできて、100mぐらい先の家の2階の窓から中に入っていったって言うんすよ!』
「なんというタイミング。アウトドア派さん、もってますね……!」
アウトドア派はもってる男なのだ。めちゃくちゃ簡単に闇の能力者が見つかったように思えるかも知れないが、すべて『アウトドア派の実力』なのだ。
『で、そのお方、怖くて誰にもそのことを言ってなかったみたいなんすけど、昨日アウトドア派の口から『翼の男』と聞いて、話すしかないと思ったらしいんす』
「びっくりしたでしょうね。そんな近所に翼の生えた男が住んでいて、さらに殺人犯なのですから」
『確定……ですよね? 兄貴』
「助かりましたよハイドライドさん。本当にありがとうございます。間違いないでしょう!」
『いやぁ、よかったっす。俺らみたいのでも役に立てて。じゃあ兄貴、その夜空の写真家のお方の住所を送りますので、まずはそこを訪ねてみて下さい』
「分かりました。お願いします」
『兄貴、くれぐれも気をつけて!』
「はい。行ってきます。また連絡しますよ」
『了解っす。引き続き情報はかき集めておくんで。では、失礼します!』
こうして、アウトドア派の驚くべき情報収集力により行き先は決まった。あとはアイリッサが来るのを待つだけだ。
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