第274話 牢獄
『このカッコつけ野郎っ! なんだよッ!? 妙に熱いじゃねーかよぉっ!!』
小濱宗治の言うように、ネル・フィードから放出されたダークマターには今までの冷たさとは違う熱気が混じっていたっ!
『1発で決めるッ!! 恨むならパウルを恨むんだなッ!!』
『ヒャッハー☆ いいっ! いいよっ! アンタッ!! 美しいぜぇっ!!』
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
小濱宗治も右腕に極黒の邪龍を呼び寄せるッ!!
ついに互いのリーサル・ウェポンがぶつかり合う準備が整ったッ!
『ヒャッハー☆ 超・極黒邪龍滅殺波あああ──────ッ!!』
ドオッ!! ゴオウッ!!
『うおおっ!! ギャラクティカ・バーニング・ブレードッ!!』
ギュオッ! ブオオオオオッ!!
ドゴォォォオ──────ンッ!!
しゅううううう……!!
『ぐあ……が……』
小濱宗治が全身を焼かれ、白目を向き仰向けに横たわっていた。
決着がついたのだ。
ネル・フィードの熱気を帯びたダークマターは、開眼し、威力を増した超・極黒邪龍滅殺波を斬り裂き、闇の能力者、小濱宗治を焼き尽くした。
ネル・フィード本人も、感じた事のない自分のダークマターの変化に少し戸惑っていた。
シュゴゴゴゴォォ!!
そして、全身を覆っていたダークマターを体内に戻し、マギラバだった見た目をネル・フィードに戻した。
(私のダークマターがあそこまでの熱を発するなんて。消したはずのアイリッサへの気持ちが思いがけず溢れてしまった。今回はそのおかげで勝てたのだから大目に見るか。とはいえ、私とした事が……)
ネル・フィードは小濱宗治を見下ろす。その姿は、悪魔から元の人間に戻っていた。
「異空間が消えない。意識を失っているのに。ひょっとして彼の意志がないと戻れないのか?」
すると、小濱宗治が咳き込みながら目を覚ましたッ!
「ごほっ! ごっほっ! ヒャッ、ヒャッハー。そ、その通りだよ。あんたらはここで餓死すんのさ。僕には悪魔の力がある。餓死する事はない……」
「そういうことか。参りましたね」
「あんたらが死ぬのを見届けてからインフィニット・ステアケースを解除する。どうだ? 迫り来る死が怖くないのか? せいぜい限られた命の中で輝こうと懸命に生きるこったな……ヒャハハ……」
「さーて、どうしたものか……」
ネル・フィードとアイリッサ。2人はこのまま餓死するしかないのか?
「ぷひー。ぷひー。ぷひゅー」
やはりアイリッサはよく寝ていた。
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