第268話 ネル vs 可憐

 ガチンッ! ガチンッ!


 可憐はる気満々でメリケンサックをかち鳴らし目を血走らせている。ネル・フィードも攻撃に備え構える。


「うきゃあっ! 百裂拳ひゃくれつけんボクサツウウッ!!」


 バンッ!!


 可憐がネル・フィードに飛びかかるッ!


『くっ! 速いッ!』


 ズガガガガガガガガガッ!!


「うきゃあっ!! 死ね死ね死ね死ね死ね死ねッ! 死んじゃえッ!!」


『ぐぐっ、な、なんてパワーだ! こ、これは……』


 ドガドガドガッ!! ドカリッ!!



『うおわぁっ!!』



 ズザザザザァッ!


 ネル・フィードは可憐のスピードとパワーに吹っ飛ばされたッ!


「うきゃ♡ 私は強いんだからね! 私は強いんだからねぇ!!」


 そう言って醜い笑顔でプリティーなポーズを決める可憐に、小濱宗治はメロメロで駆け寄る。


「可憐……凄いよ♡ めちゃ強いじゃないか……そして、同じ事2回言うのもたまんなく可愛いよ♡」


「うきゃ♡ 私たちは無敵! 私たちは無敵なんだぁ!!」


「そうだね。じゃあ……あの美しいお兄さんを更に美しくしようか?」


「うきゃ♡ ジ・エンド・ボクサツゥ?」


「そうだね。素敵な響きだ。こんなに可愛い可憐に痛ぶられながら殺されるなんて、あいつは生きながら天国を味わえるんだ。少し羨ましいよ」


 ネル・フィードはそこら中に痛みを感じる体をゆっくりと起こす。


『うっ……』

(困った……やっちまうか? しかし気分が乗らない……あの可憐、実力もかなりのもんだ。倒すとなるとを出さなくてはいけない……あんな少女相手に……この俺が本気か……ふははっ。なんてこった)


 ガチンッ! ガチンッ!


 可憐のメリケンサックが鳴り響く。


「真っ暗なお兄さん。可憐が可憐に殴り殺してあげるね♡ 気持ち良すぎてその辺にくっさい精子ぶち撒けないでね!」


『ふはははッ! ガキにイカされる気は全くしないね。まだまだ君にはが足りなさそうだッ!』


「テクニック? お兄さんいやらしい〜、可憐は処女だもん。フェラもした事のない完全なる処女だもん。だからテクニックじゃなくてね……気持ちで殺すの……」


『さあ? 殺せるかな? に』


 可憐が俯き、大きく息を吐いた。


「ガキじゃないもんっ!! お毛毛だってうっすら生えてるもんっ!」


 可憐のその発言に、小濱宗治は驚愕したッ!!


「な、なんだってぇっ!? か、可憐っ! そうなのかっ? ぼ、僕の中ではのはずだったんだけど……ほ、本当はつるつる……だよな? なっ?」


「違う……もじゃもじゃ。かなりの大人」


「そ、そんな馬鹿なッ! 嘘だッ!」


 2人はが生えているか生えていないかで揉めだした。


『……ど、どうでもいい事を……』


 頭を抱えるネル・フィードをよそに、小濱宗治は可憐のパンツの中を確認させて欲しいと懇願していた。


「た、頼む……ッ!」


「作者ならなんでも出来ると思わないでよね! ロリコンボクサツウウッ♡」


 コツンッ!


 可憐はメリケンサックで軽く作者の頭を小突いた。


「か、可憐……ごめんよ……」


「分かればいいのだ。私は大人なんだからっ! さくっとネルちんやっつけちゃうから待っててねっ♡」


 ざっ!


『来るか……ッ!』

(とりあえずブラック・ホールを試すしかないッ!)


「いっくぞぉー! ジ・エンド・ボクサツウウウウッ!!」


 ドヒュンッ!!


 迫り来る可憐にネル・フィードは右手からブラックホールを放出したッ!!


『喰らえっ! ブラック・ホール・サクショ───ンッ!!」


 ギュガガガガッ!!


 ズオオオオオオッ!!



「な、なにあれっ!?」


 

 キキィッ!!



 可憐はネル・フィードへの突進を急停止ッ!!


「可憐ッ! あぶないっ!!」


 そして、その可憐の前に猛スピードで小濱宗治がかばいに入ったっ!


「うおおおおおおっ!!」


 ズギャアアアアンッ!!


 プシュンッ!!


『や、やはりダメか……!』


 ピンクローザの時と同様に、ブラック・ホールは小濱宗治の闇の力でかき消された。


「さあっ! 可憐ッ! ジ・エンド・ボクサツッ! いっけぇっ!!」


「うきゃあっ♡」


 小濱宗治の掛け声と共に、可憐は再びネル・フィードに飛びかかったッ!!




 その時ッ!!





「うげえええっ!!」


 可憐が宙吊り状態で、もがき苦しみ出したのであるっ!


『な、なんだ……!? な、なにが……!?』


 ネル・フィードは周りを見渡したっ!

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