第247話 ネクロフィリア

 礼拝堂の戸締りをし、メルデスも自宅へ向かう為、車に乗り込んだ。彼の車、決して高級なものではない。


 彼が先程ネル・フィードに言った月給225,470円。それは真実であり、彼に吸う甘い蜜はどこにもなかった。


 メルデスは神父になる為、養成機関での6年間、神学や哲学、聖職者としてのあり方や心構え。それらを徹底的に頭と体に叩き込んだ。


 その後、神父となったメルデスは、さらに聖書を熟読し、その地位を確固たるものにした。イケメンな事もあり広報としても活躍。女性信者からの憧れの眼差しも少なくはなかった。


 神父となり5年が経った。


 彼は自分に憧れるモライザ信者とベッドを共にする事が多かった。そんな中、日に日に増す欲望が抑えられなくなってきていた。


 メルデスは……そう、をこよなく愛したかったのだ。そんな自分の異常性と闘いながら、彼は神父の職を全うしていた。


 体温のない、冷たい、物言わぬ無機質な女を抱きたい。死体愛好家ネクロフィリア。彼は完全にそれになろうとしていた。







 何故に彼はそうなったのか?


 いや、そもそもそういう素質を持って生まれたのかも知れない。




 幼少期の彼は男の子らしい遊びを好まなかった。見た目も女の子に間違われるほどに可愛く、親もそんな彼に人形を買い与え遊ばせた。


 そんな中、彼の女子の体に対する興味は年々膨らんでいく。いくら見た目が可愛くても男の子なのだから当然の事だ。


 ある日。メルデス少年は可愛い女の子の人形の服を脱がせ、股間の部分を眺めていた。自分にがない。


 物言わぬ人形。股間を触っても舐めても何も言わない。しかし、それが逆に彼の支配欲に火を付けた。


 彼は女の子の人形の股を引きちぎれんばかりに広げ、息を荒げた。


 『完全なる支配者』


 性的な興奮もあったが、それ以上に人形を自由に蹂躙じゅうりんできる事に彼は興奮していたのだ。8歳の少年の小さなペニスは充血し、パンパンに勃起していた。






 ガチャッ!


 メルデス神父、帰宅。


「こ、怖かった。上手く誤魔化して逃げれたけど、もうアイツとは関わりたくない。僕ちゃんの秘密を見抜く様なあの目が怖いッ!」



 そう言うとメルデスは全裸になり、コップを手に取った。




 ジョボボボボッ……ジョボッ!



 コップに自分の尿をなみなみと注ぐと、それを一気に飲み干した。



「んぐっ、んぐっ……ぷはああ。お、落ち着いた。僕ちゃんは聖なる存在、秘密はバレたくない! 闇の能力者として君臨するにしても、変態だなんて知られたくないッ! 僕ちゃんの秘密を暴こうとする奴は絶対に許さないッ!」


 尿の雫が光るコップをテーブルの上に置き、メルデスはへと入っていった。そしてドアの鍵をかけた。


 ガチャリ


 5体のレディードールが彼を出迎えた。その1体を椅子から下ろし、うつ伏せに寝かせると、スカートをまくり上げ、パンティーをズリ下げた。


 全裸のメルデスの目に映る、丸みを帯びた白く、美しいお尻。それにゆっくりと顔をうずめる。もちろん彼女に体温はない。


「ミレーヌ♡ 僕ちゃん頑張ったよ。ネル・フィードとかいうあぶねぇ目をした野郎を一蹴してやったんだ。あぁ♡ いつもと変わらずなんて可愛いお尻の穴なんだ。ありがとう、ミレーヌ♡ もっとご褒美ちょうだいよぉ〜♡ ふおぉっ!!」












 メルデスはミレーヌのお尻を堪能し終えると立ち上がり、レディードール達に話しかけた。


「今夜、みんなのお友達が増えるよ。クラーラちゃんって言ってね。可愛くて性格もいいんだ♡ 偶然立ち寄ったコンビニで働いてて、僕ちゃんが落としたポップキャンディを拾ってくれたんだ。僕ちゃんの大好物のポップキャンディをだよ。一気に好きになっちゃってさ、死んでもらいたくなっちゃった♡ おしっこ飲んで余計な不安もなくなったしっ! 待っててね。クラーラちゃん♡」


 メルデス神父は自分の尿を飲むと不安が紛れる特異体質だった。そして、皆さんの予想通り、闇の能力者でもあったっ!



 ディストピア創世まであと1週間。

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