第200話 貴重なデータ
青木ヶ原樹海上空。アンティキティラ最強ナナ・ティームースと睨み合う腐神ハイメイザー亜堕無と威無。
2人は瞬時にナナの力を感じ取り、戦闘態勢を整える。亜堕無も威無も2メートルの巨体。それに引き換えナナは身長150センチと小柄だ。その小さな体に地球の命運がかかっている。
『可愛いお嬢さんのくせして、可愛くない力をお持ちのようね。なあに? 私たちを殺処分?』
威無が不気味に怒りを抑えた薄ら笑いで聞き返す。
『貴様ら腐神ハイメイザーを殺処分することが、我々アンティキティラがカテゴリー1になる最短の道なのだ。知らんけど』
『アンティキティラ? そっか、シヴァを取り除いたのがバレちゃったのね? やだもうっ!』
『貴様らハイメイザーが腐神になるなんて前代未聞だと皆驚いていたぞ。なにがあったか聞かせろ。興味本位だ』
すると、亜堕無がナナと威無の間に割って入ってきた。
『お前ら低種族が立ち入る領域ではない。ハイメイザーを愚弄するな』
それを聞いたナナは呆れ顔だった。
『そうか。話したくないか。では、話したくなるまで拷問レベルの攻撃をし続ける。ドスグロに貴様らのデータをくれてやる約束をしたのでな。手ぶらでは帰れんのだ』
カチッ!
亜堕無は煙草に火を付けた。とはいえ、油断は1ミリもしてはいない。
『ふう〜……ハイメイザーはそんな机上のデータで計り知れるほど、低俗な存在ではないんだよ。そして、拷問されるのは君の方だ。僕は女の子を痛ぶることになんの抵抗もない。なんなら興奮しちゃうほうなんだ』
『ほう。ハイメイザーはど変態。まずはひとつ、貴重なデータが取れたな』
ナナはバカにするようにニヤリと笑った。
シュピッ!
亜堕無は煙草を投げ捨てた。その刹那! 目にも止まらぬ速さでナナに襲いかかったッ!
キュンッ!!
『オォラァッ!!』
ズドォォォオ──────ンッ!!
『遅い。ナメクジ並みだな』
『あがががっ! そ、そんなっ、バカなぁっ……!』
攻撃を仕掛けた亜堕無の土手っ腹に、ナナの紅蓮のXが燃え盛る拳が、抉るようにめり込んでいた。
『亜堕無だっさ!』
威無はいつになく冷ややかだった。
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