第22章 襲来!亜堕無と威無

第198話 麗亜のお守り

『緊急放送です!』


『本日午前11時58分。例のピラミッドを破壊した2体のフライングヒューマノイドが本国に侵入したという情報が入りましたっ!』


『繰り返します!』


『ピラミッドを破壊した2体のフライングヒューマノイドが本国に侵入したとの情報が入りましたっ!』


『で……はい? 本当ですかっ?』


『えー、2体のフライングヒューマノイド……H県のKAKUBAKUドームを破壊した模様ですっ!』


『その後、東に向かい飛び去ったとの事ですっ!』


『世界遺産を狙う確率が非常に高い為、特にKT府にお住まいの方々はお気をつけ下さいっ!』


『身の安全を確保して下さいっ! 外出は避けて下さいっ!』


 西岡家でのアンティキティラ・エンカウンターから4日が経っていた。


 あの壮絶を極めた刀雷寺での戦いからは1週間。あの日からハイメイザーは世界を巡り、気に入らない建造物の破壊行為を続けていた。


 そしてついに、亜堕無と威無は日本に再び戻ってきたのであるっ!



『ねえ、亜堕無』


『なんだい? 威無♡』


『私、あれが見たいのよ。その為にまたこの国に戻ったきたんだから』


『あー、確か金隠きんかくし?』


『誰が和式便所見たいって言ったのよ。それを言うなら金閣寺!』


『ごめんよ、威無……』


『金閣寺も見たいけど、それよりもっーと見たい物があるのよ♡』


『なんだい?』


『マウント藤子ふじこ不二雄ふじおよ♡』


『そうだったかなぁ?』


『この国で最も高い山。それがマウント藤子不二雄。とても美しいのよ♡』


『あっ、思い出したよ。確かマウント『富士』だ。雪の帽子を被ったみたいで可愛いんだよね? ね?』


『そ、そ、そうよ! 雪の帽子が可愛いのよっ♡』


『じゃあ、金閣寺はすっ飛ばして、マウント富士へlet's goだ!』


『全くもって楽しみよ!』


 キュンッ!


  キュンッ!!


 亜堕無と威無は、富士山に向かってスピードを上げ飛んで行った。












「ナナ……」


 その頃、西岡家の真珠とナナは緊急放送を見ていた。実はナナ、その放送が始まる前からハイメイザーの接近に気づき、準備運動を始めていた。


『やはり来たな。腐神化ハイメイザーのボケ2人組。真っ直ぐこっちに向かって来ているのだ』


「そうね。東に向かっているって言ってたから。どこに向かっているのかしら……」


『ハイメイザーともあろう者が腐神化するとは情けない。余程のクズだな。もう好き勝手にはさせん。今日をもって『閉店ガラガラ』なのだッ!』


「ナナ。そのギャグは使わない方がいいわよ」


「お母さんっ、別にいいじゃん! 岡田のギャグ面白いんだから!」


『そうだ。岡田は面白いのだ。ナダルもなッ!』


 この4日間でかなり麗亜に仕込まれたナナであった。




「はあ、麗亜のせいで変なお笑いの知識ばっか増えてるわ。本当にナナ、頼むわよ。ハイメイザーを倒して!」


『任せろ。余裕だ』


 そう言ってナナが出発しようとした時だった。


「ナナさん♡ これお守り、付けてってよ!」


『ん? レイア、なんだそれは?』


 麗亜がナナに渡したのは折り紙で作ったお守り。それにビニール紐を通して首からかけられるようになっていた。


『オマモリ? レイアが作ったのか?』


「うんっ!」


『じゃあ、かけてくれ。レイア』


 麗亜はお手製のお守りをナナの首にかけた。その顔は喜びに満ちていた。その顔を見てナナもニッコリ微笑んだ。


『レイア、ありがとうなのだ。サクッと倒してくるぞ。お前と早く我竜がりゅうのチャーシューメンを食べに行きたいからなッ!』


「ナナさん、がんばってね♡」


「ナナ、お願いね」


 アンティキティラの最強女戦士、ナナ・ティームース、出陣。


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