第186話 桁違い
ナナの言う通り、2人は西岡家の広い庭に出た。
「わぁ、素敵なお庭ですね」
「ほんと? ありがとー」
ナナは腕組みをしたまま、家の中から庭の2人に話しかけた。
『さあっ! 2人ともさっさとXを身に纏え。そして全開で放出してみろッ!』
ピピッ!
ナナは手首の装置を操作した。
「西岡さん」
「やるしかないわね」
「はい。分かりました」
2人はまず、ブラック・スーツを身に纏う事にした。
「はあっ!!」
「ふんっ!!」
ブアオウッ!!
バシュウウウウウッ!!
命の炎はアンティキティラの黒い戦闘服となり、藤花と真珠の凛々しさをより際立たせた。
『よーし! そこからだ。Xを全身から放出しろッ! おもいきりなっ!』
2人は目を合わせ頷くと、一気に最高点まで命の炎を爆発させたっ!
「うおりゃあああっ!!」
「だああああっ──────!!」
ボボオオオオォォッウッ!!!!
藤花も真珠も腐神との戦いの中で、更に命の炎の爆発力を上げるコツを掴んでいた。
『これがミューバ人の本気のXか。ウ、ウケるのだ!』
そう言いながら、ナナは手首の時計の様な装置をチェックしていた。
ピピピピピピ……!
『お前ら、それが限界か?』
2人は今までにないくらいの勢いで、『全力の命の炎』を全身から放出していた。それに対して投げかけられた、ナナのそっけない一言。
『ストップだ。Xを消せッ!』
それを聞いて2人は一気に命の炎を消しさった。
シュウウウウウッ!! ボォン!
『仕方がないか。ガリメタの急造Xだからな。ちなみに、お前らの『X量』の数値、知りたいか?』
「参考までに知りたいですっ!」
「どうせ弱いんでしょ?」
ナナは手首の装置を見て言った。
『ではまず、シンジュ』
「は〜い」
『85,900X YZ』
「8万5千っ!? なーんだっ! 思ったより高くない?」
『お次はトウカだ』
「はいっ!」
(私が余命1番短いんだからっ! 西岡さんより上よね?)
『112,000X YZだ』
「わ〜いっ! 西岡さんに勝ったぁ〜!」
「急に8万5千が低く思えてきたわ……」
「西岡さんっ、どんまいですよっ!」
「藤花め〜!」
そんなはしゃいでいる2人に向かって、ナナは吐き捨てる様に言った。
『8万も11万も大した違いはない。同じ様なものだ。ちなみに私のX量は桁が違うぞ』
「ちなみにナナさんのX量はおいくつなんでしょーか?」
藤花は恐る恐る聞いてみた。
『私はダブルX隊の隊長を任されていたのだ。もちろんX量の数値は誰にも負けた事はない』
「分かったから早く教えてよ。ナナ」
ナナは淡々とその恐るべき数値を言った。
『私のX量は6,900,000X YZだ』
西岡家の庭の時が止まった。
「690万? 私達っている意味あるのかしら……」
「あのぉ、確かそこは『53万』ぐらいが相場なんじゃ……」
『私は嘘はつかないぞ。690万なのだッ! だからハイメイザーなど一捻りなのだーッ! くっ、あはははっ!』
少年漫画には必要不可欠。強さの数値化。作者もなんとなしにやってみたらとんでもない数値にっ!
『これは全部ナナに任せてしまえばあっさり終わるんじゃね?』
『はい! 主人公、藤花からナナにチェンジ!』
『もうブラチン用済み』
そう思ったそこのあなたっ!!
そう簡単に終わらないのが残ネルなのですよっ! ふっふっふっ!
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