第21章 X

第171話 おつかれさん

 ハイメイザー腐神、亜堕無と威無は宇宙空間にいた。銀河エネルギー砲を備えたミューバ・リセット装置『シヴァ』を破壊する為に。


『威無、シヴァの動きを止められるか?』


『任せて。大丈夫よ♡』


『今にここを猛烈なスピードで通過するよ』


『大丈夫だってばぁ。私の第3の目は既にシヴァを捉えてる。さっそくアンティキティラの力を使わせてもらおうかしら』


『よろしく頼むよ』


 威無が両手を広げ、力を集中する。


 パキパキパキパキッ!


『わーおっ♡ アイスショーが始まるわ♡』


『来るぞッ! 威無ッ!』




『オッケー♡ はあああああっ!!』







 ズドォオオオ──────ンッ!!



 バキバキバキバキバキバキィッ!!



『威無、ナイスッ!』


『凍らせるとかっ、楽しいわぁ♡』


 威無は高速で移動するシヴァを、イバラのブリザードを絡めた力でいとも簡単に静止させた。


『さて、見たところ、きっちりエネルギーが充填されているな……』


『破壊は危険かもね』


『確かにそうだ。じゃあ、どこかへ行ってもらおうかな』


 亜堕無は、縦横10メートルの大きさの凍りついたシヴァを両手で掴むと、思い切り宇宙空間へ向け放り投げたっ!


『おつかれさんっ!!』




 ブオンッ!




 シヴァは地球の周回軌道上を外れ、どんどん遠ざかっていった。



『ふふん。これでよし。これでもうこのミューバは僕たちの物だよ。威無』


『やったぁ♡ シヴァさえ無ければ、私達を脅かす物は全くもってゼロよね』


『そうさ。さて、まずは威無のご要望通り、ミューバ観光と行きますかぁ!』


『やったぁ! この不思議な惑星の隅々まで探検したいわぁ♡ 全くもってワクワクよぉ!』


 2人はシヴァを地球から取り去った。傍若無人が可能になってしまった地球。亜堕無と威無の危険な『ミューバ観光』が始まる。


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