第154話 始動 ゼロワールド
外が暗くなってきた。時刻は夜の七時になろうとしていた。私は今夜、ゼロワールドの存在を世に知らしめる為の行動を取る。
『電波ジャック』
これで一気にゼロワールドの名は世に広まる。と同時に、恐怖と絶望も一緒に植えつけてやるッ!
永遠の方舟を信じる事なく、バカにしていた愚かな人間どもを一気に地獄に叩き落とすッ!
……まあ、私も信じていなかった人間なんですけどねっ!……だけど、このネックレスだけには感謝してるよ永遠の方舟……。
それからあの『はぐれ』っていう女教祖……ネル・フィードを抑え込めるほどのカテゴリーの高い石を取り扱うって事は『異星人なんだろうな』とは思っていたけど。一体、何しに来てんの?
と、そこへ鎖鎖矢餽が新たな契約者と共に帰ってきた。
『連れて来ました。牙皇子様。これが腐神『底無死』の契約者ヘドロです』
『鎖鎖矢餽、ご苦労様。仕事が早いね。これでとりあえずは5人が揃った。引き続き私は腐神とコンタクトを取り続ける。早速だけど、白雪は昼間にフロッグマンをふっ飛ばしたっていう女を探して殺してきて下さい』
『はい』
まずはこの白雪を使って、アンキテラの送り込んできた『力ある者』の実力を測る。
『私とフロッグマンはTK都のテレビ局をジャックする。そして、我々ゼロワールドの存在を公にする』
『分かりました。こちらも用意できました。『髑髏の仮面』です。どうぞ』
『ありがとう! うん! びったりだよ。さて……暗くなったら、ひとっ飛び行くよ! フロッグマンッ!』
『ゲロ!』
『さて……どこのテレビ局に行こうかな……?』
『牙皇子様。この後22時から生放送のニュースをやっているのは『テレビ
鎖鎖矢餽がそう教えてくれた。
『テレビ朝霧……『
『テレビに映るのかぁ……テレビ局、楽しみだな。報道天国といえばお天気お姉さんの『伊藤なつみ』が可愛いんだよなぁ……♡ゲロッ!』
『おい……フロッグマン』
『はっ、はいっ! ゲロゲロッ!』
(やべっ、つい心の声が……)
『その、伊藤なつみ? いたらさ、喰っていいよ。味わっちゃいな。ちょっと可愛いぐらいで自分をアイドルかなんかと勘違いしてる女はさ……ムカつくんだよね……!』
『ゲッ……ゲロゲロ……』
(天使イバラとダブってるのかな……)
『私たちみたいのがテレビ局に侵入すればすぐに騒動になる……まっ、フロッグマンを見て立ち向かって来る奴はいないだろうけど……もしいれば、永遠の方舟の信者か確認のうえ……殺せ!』
『分かりました……ゲロッ!』
『ではエリンギヒルズに向かうッ! 行くぞッ!』
『ゲロゲロッ!』
私とフロッグマンは闇夜の中、TK都のエリンギヒルズ内にある、テレビ朝霧の本社へと向かった。
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