第136話 告白 アフロタワーにて

 私と藤花はずっと仲良し、ずっと惹かれあっていた。でも、なかなかお互いの気持ちを伝える事ができないでいた。


 中学2年のバレンタイン。2人で前から行きたかったB県のK市にある『アフロタワー』に行ったんだ。


 かわいい雑貨や文房具、洋服もお互いに選び合ったりしてテンション爆上がり。


 ランチも本当はタワー内の店舗で地元名物『オニオコゼ丼』を食べたかったけど、そこは藤花に合わせて、永遠の方舟の食材を使用したお弁当をちゃーんと持ってきましたよ。


 ランチを済ませた私達は最上階の展望台へ。K市を一望できた。遠くに海が見える。水平線がキラキラと太陽の光で輝いていた。2月の澄んだ空気が景色をより鮮明に見せてくれた。


「ねえ、藤花」


「なあに? 杏子ちゃん」


 私は決めてたんだ。今日から私達は特別な関係になるんだって。藤花も私の事が好き。絶対、絶対、絶対。


 私は勇気を出して切り出した。


「私ね、藤花の事が好き」


「えっ!?」


 その藤花の驚いた顔に、私に対する嫌悪や戸惑いはなかった。頬を赤らめ『ドキドキしている』そんな顔だった。私は畳み掛けた。


「私は藤花が誰よりも好き」


「う、嬉しいなぁ。わ、私も杏子ちゃんの事、す、好きだよっ、大好き」


 藤花の顔。照れながらもめっちゃ喜んでる。私には分かる。ずっと見てきたんだから。いけるっ!


「私は、藤花とキスしたいぐらい好きだよ」


「キッ、キスぅっ!?」


「そう。キスよりも、もっとエッチな事もしたいかな」


「…………ったぁ〜」


 藤花ぁ♡ 顔が真っ赤だよぉっ! めっちゃかわいいっ♡ も、もう我慢できないっ!


 チュッ!


 私は人目も気にせず藤花の唇にキスをした。ふわぁ♡ 柔らかい、ぷるぷるしてる。ずっと想像していたけど、それどころじゃないっ♡


 ぬっ!


 私は我を忘れて舌を出した。そしたら藤花が驚いて唇を離しちゃった。


「あ、あ、杏子ちゃんっ! だめっ! こんなことろで……」


「こんなところ? じゃあ2人きりなら、もっとしてもいい?」


「えっ、ええっ? そ、それはぁ、んーとっ……」


 んふっ♡ 眼鏡ずれてるっ! 困ってる! 超超超かわいいーっ♡


「黒宮藤花さんっ!」


「は、はいぃっ!」


「私はあなたが好きですっ! 付き合って下さいっ!」


 私の告白に藤花は真っ赤な顔で、ズレた眼鏡を直しながら、小さい声で返事をしてくれたの。


「うん……私でよければ……」


(キタコレッ───────!!)


 私は藤花をギュウッと抱きしめた。


「あ、杏子ちゃ……苦しいよぉ」


「私が藤花をずっと守ってあげる。誰にも藤花を傷つけさせないよ」


「あ、ありがとっ! で、でも、人が見てる! 恥ずかしいよっ」


 こうして私は藤花を手に入れた。ある程度の確信はあったものの、やはり告白は緊張した。


 アフロタワーはとっても大事な思い出の場所となった。チョコを渡し合って、私達は手を繋いで帰ったんだ。


 しあわせ♡


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