第126話 驚愕のフロッグマン

「カエル野郎ぉぉぉお──っ!!」


 ドドオオォンッ!!

 ズァッボオオオッッッ!!


 藤花を『みことの爆炎』が包むッ!


『ゲロォッ!!』


「あの時はっ! あの時はよくも杏子ちゃんをやってくれたなぁっ!! この時をどれだけ待ちわびたかっ!」


『ゲロゲロッ?』


「ふははっ! よく見たら案外間抜けな顔してんじゃん! あの時は怖くて仕方なかったけどさぁっ!」


『ゲロゲロッ?』


「ゲロゲロしか言えないんじゃ話にならない! とにかくアンタは杏子ちゃんを殺した! 私の愛する杏子ちゃんを殺したッ! ボコボコにして八つ裂きにして灰にするっ!!」


『ゲロォッ?』


「殺れるのかって?」


『ゲロゲロッ!』







「じゃあ今すぐッ! カエルの刺身にしてやるよぉおっ─────!!」


 ズッドォオオオーンッ!!


 藤花はフロッグマンに飛びかかっていったっ!


「おっりゃあっ───!!」


 パッシ────ンッ!!


 藤花の渾身の蹴りを片手で受け止めるフロッグマンっ!


「これならどうだあっ───!!」


 ズガンッ!!


『ゲッロォッ!?』


 藤花の頭突きが決まったっ!! よろめくフロッグマンの懐に潜り込み、攻撃の手を緩めないッ!!


「うおおあーっ! 青龍ッ!!」


 ドンドンドンドンドンドンッ!!


『ゲッゲッゲッ! ゲロゲロッ! ゲッロォッ!!』


 連続の打撃がフロッグマンの腹部に炸裂っ! 分厚いタイヤを殴っているようで、本当に効いているのかハッキリ分からないっ!


「だぁぁああああっー!!」


 ズゴオオオオッンッ!


 鋭いアッパーカットが前屈みのフロッグマンの顎を完全に捉えたっ!!


『ンッゲエエエッ!!』


 ズドォォオンッ!!


 フロッグマンは宙を舞い、大の字に倒れた。


「飛翔っ!!」


 ギュンッ!!


 藤花は10メートル上昇っ! そこから光速移動でフロッグマンの顔面に膝を撃ち込むっ!


「くたばれぇえ─────ッ!!」


 ズビシュン!!


 ドォォォオ───────ンッ!!




















『ゲロ……ォッ!』


 藤花の攻撃は、ほぼすべて理想的にフロッグマンにヒットしたっ!


 ギュアアアアアアアッ!!


 藤花は変幻自在・剣を発動っ!


「なんだか意外にあっさりね。こんなに弱かったなんて。斬咲とエクレア、あれが最強の手駒……頷ける!」


「藤花ッ! めちゃ強いーっ!」


「気を抜いちゃだめよ! わざわざ出てきたのには理由があるはずっ! ただやられにくるはずはないわっ!」


「十分に警戒はしてます。それでも……弱いっ!!」


 シュボォォウッ!!


 藤花が剣の炎の勢いを上げて、斬りかかろうとした……その時だった。






























『お前……黒宮だろ?』













「なにっ!?」


「ええーっ!?」


「しゃ、しゃべったわぁっ!!」


 なんと、フロッグマンが言葉を発したのだっ!! 


「カエル野郎っ! なんでお前が私の名前を知ってるッ!? 言えっ! 答えろおっ!!」


 フロッグマンの不気味な瞳が、藤花を舐めるように見つめる。


『ゲロゲロッ! 俺はお前を昔っから知ってる。お前は俺の事なんて覚えてやしないだろうがな……』


「な、なにそれ……」


 フロッグマンは、のそのそと立ち上がった。

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