第121話 紫電一閃

『キャハハッ! 斬咲っ! Wel com back!』


 斬咲に近づきながらエクレアが笑う。


『ガハアっ! なんだったんだ今のはっ? 非常に気分が悪くなったんだが……』


『どうやらお前の過去を知っている人間がいたようだ。一瞬どうなるのかと心配したが、さらにパワーアップしたようだし、良かったな』


 カマキリのおぞましい記憶がフラッシュバックした斬咲は、怒りと共に肉体の強化を遂げた。そして、完全に『野苺めーぷる』の記憶は消失した。


「イバラちゃん、大丈夫?」


「藤花の言う通り、残念ながらあれはもうめーぷるちゃんじゃない」

(絶望の前では、人はこんなにも弱いんだ……)


「大丈夫なんだね?」


「大丈夫。藤花っ! あれは腐神 斬咲ッ! 倒そうっ!」


 イバラのその力強い一言を聞いて、藤花は安心した。


「腐神 斬咲、始末するッ!!」


 シュボボオウッ! ボォンッ!


 藤花は再び腐神抹殺のスイッチを入れたッ!


『始末だと? ゴミにそんなセリフを吐かれるとは思わなかった。エクレア。あれを頼む』


『あれか? OK!』


 ジャキイイッ!!


 斬咲が両腕の刀を天に向けたッ!


Thunderサンダー boltボルトッ!』


 バリバリィィイッ!!


  ズドォ────ンッ!!


 斬咲の刀は避雷針の如く、エクレアの放った雷撃を受け止めたっ!



 ビビィッ!! 


 バリバリバリィッ!!


 刀は電流を帯びた刀となったッ!


いかづちの刀ってとこね。かっこいいじゃん」


『赤髪、余裕でいられるのも今のうちだッ!』


 ブシュンッ! ビリビリィッ!!


「それはこっちのセリフだよ。そろそろ決めさせてもらうっ!!」


 ブオォウォッ! ボボォンッ!


 藤花の紫炎の剣が唸るっ!!


 2人同時に斬りかかったッ!!


『死ねッ! 疾風迅雷しっぷうじんらいッ!!』


『陣平流っ! 龍王斬りゅうおうざんッ!!!!』













 ガッ!!
















 ドゴォォォオンッ!!


 

















 ザンッッ!!



 ブシャアッ!!












 ……………………ドサッ!


















「そ、そんなっ!? 藤花がやられるなんてっ!」


『やってやったあッ! くっそゴミがぁあっ!! 死ね死ねぇ!! さっさとくたばっ……?」



 ブッシャアッ!!



『ガハッ!! な、なんだとぉ!? わ、私も斬られっ……!?』


 ガクンッ!


 斬咲は膝をつき、苦悶の表情。腹部の裂傷から血が止まる事なく噴き出し続ける。


 ブシュシュウ!!


 ドサッ!!


 藤花と斬咲、双方ともに強烈な斬撃を喰らい、傷つき倒れた。












『みんなっ!!』











『西岡さんのテレパシーじゃ!』


『どうしよう? 西岡さん!』


『陣ちゃん、イバラ、2人共とりあえずは腐神を藤花から引き離す事を考えるわよっ!』


『引き離す?』


『そうよ! 美咲に藤花を回復させる! その為に腐神の意識を藤花から逸らすのよ!』


『わ、分かったーっ!』


『そ、そうじゃな!』


『美咲! 頼んだわよ!』


『激しくラジャーです!』



 ビシッ!


 真珠は腐神を指さして言ったッ!


「もう斬咲は時間の問題っ! 後はあんただけよっ! エクレアっ!!」


『キャハハッ! もう私の動きを封じる手段はなかろう? 凍らされるつもりはもうないっ!!」



「やるよッ! 2人ともっ!!」


「はいっ!」


「もう、やられんぞいっ!!」


 3人はエクレアを藤花から引き離し、無事に美咲に回復させる事ができるのかっ?

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