第117話 Thunder Cannon

 藤花が斬咲の天滅丸がであることに気づいたその時、陣平はエクレアと死闘を演じていた!


 ズガッ! ドガッ!


 バギャンッ! ズドドドドドドッ!


 ガガガッ! ドンッ! ズバッ!


 空中での打撃戦っ!


「下手に手出しができないわ。逆に陣ちゃんの邪魔になっちゃうもの!」


 真珠は2人を見上げ、右手に命の炎を燃やしながら動けずにいた。それほどまでに鵺と陣平流の応酬は凄まじかったっ!


飛燕朧月ひえんおぼろづきッ!!』


     ズバッ!!


 ドゴッ!!


「うがッ!! なんちゅう蹴りじゃあっ!」


 エクレアの変則的な回し蹴りが、陣平の顔面にヒットッ!


『ジジイのくせにさっきっからなかなかexcellentエクセレントな身のこなしじゃないかっ!』


「おぬしこそ、骨の2、3本は折れてるはずなのに平然としおって。痛みを感じんのか?」


of オフcourseコース 痛みを感じる神経は電流でshutdownシャットダウンしているッ! キャハハッ!』


「化け物めが。それにしても貴様、若い姉ちゃんのくせに鵺なんぞ、どこで会得しおったっ!?」


『ジジイには関係のないこと。それに、そんなことはもう忘れた……』


 すうっ!


 エクレアが静かに右の手のひらを正面に向けた。


「なんじゃっ!?」


 ボオオウッ! ボボォンッ!!


 陣平は命の炎全開で防御力を引き上げるっ!


Thunderサンダー Cannonキャノンッ!!』


 ズバババッッ!! 


 ビビィッ!!


 ズガァァ───────ンッ!!


 ドオオッ───────ンッ!!


「ぐおわぁっ──────ッ!!」


 バリバリッ! 

 

 バリバリバリッ!!


「陣ちゃ────んっ!!」


 命の炎を容易く貫いた稲妻の砲撃は、陣平に大ダメージを与えた!


 ガシッ!


 真珠は落ちてきた陣平をキャッチ。そのまま地面に寝かせ、すかさず戦闘態勢に入った!


 スタッ!


 エクレアが着地して真珠を睨む。


『次はあんたの番だ。蛇女』


「さっきからバリバリバリバリうるさいのよ。この漏電女っ!」

(私にあの鵺に対抗できる体術はない。イバラにこの腐神の動きを封じることが出来さえすれば!)


 ピッ


 真珠はテレパシー状態を作った。


『イバラ、大丈夫?』


『うん、まだ少しビリビリしてるけど』


『アンティキティラの力が備わってても、鵺のダメージは素人の私たちにはかなり大きそうね』


『早過ぎて、どこから攻撃されたのか分からなかったもん』


『イバラ、エクレアの動きを封じて欲しいんだけど、できそ?』


『やれ、でいいよ。西岡さん』


『じゃあ、頼むわよッ!』


 エクレアは2人を見ながら首を傾げていた。


『お前ら、まさか思考のやり取りができるのか?』


「なっ!?」


「えっ!?」


 真珠とイバラは、驚いて声が出てしまった。


『やはりな。安心しな。内容までは分からんさ。せいぜい私を倒す作戦でも立てればいい』


「あ、安心したわよ!」


 ボウッ! ボボォンッ!!


 2人は命の炎を纏ったッ!


「じゃ、いくよ! イバラッ!」


「はいッ!」


 果たして、イバラはエクレアの動きを封じ、真珠の攻撃を炸裂させる隙を作る事ができるのか?

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