第74話 魔核蝕滅弾ゲテモノ

『炎を斧にしたり、蛇にしたり、いきなり目の前で爆発を起こしたり……』


 ジャラッ!!


『空を飛んだり、光の速度で動いたり……てめぇら、おもしれぇじゃねぇかぁーっ!!』


 ブンブンブンブンブンブンッ!!

 ブンブンブンブンブンブンッ!!


『死ねぇ! 魔鋼砲絶破メテオブラスター──ッ!!』


 ズドオオオオオンッ!!


 ゴオオオオオーッ!!


 怒りのライノマンが鎖鉄球奥義を炸裂させた!


「今度はワシかーっ!!」


 ゴオオオオオオッ!!!!


 陣平めがけ、空気を焼きながら迫り来る剛熱の鎖鉄球!!


 ボボォンッ! ボォオォオウッ!!


 陣平は右手に命の炎を集中ッ!!


「陣平流! 破砕絶技はさいぜつぎ! 蜂針貫穿ほうしんかんせんッ!!」


 バオウッ!! ボォンッッ!!


 更に人差し指と中指の2本に命の炎を超集中し、爆発させるッ!


 ズビッッ!! 


 陣平は剛熱鉄球に目にも止まらぬ突きを繰り出したッ!!


 バコォッ──────ンッ!!


 ガラッ、ガチャンッ!!


 ライノマンご自慢の鎖鉄球が、大きな音と共に粉々に砕け散るっ!


『んなアホなっ!! 砕けるわけがないっ! 腐神界のだぞぉ!! なにをしやがったっ!?』


「ふん。なんにでも急所ってものがあるんじゃ。たぶん、お前にもな」


『見透かしたようなことを言いやがって。気に入らねぇジジィだぜ……!』


 ビュウゥゥ──────ッ!


 アフロタワーの周りを風が吹き抜ける。立ち込めた熱が消え、一瞬の心地よさに包まれる。






『俺の武器が鎖鉄球だけだと思うな。この剛腕だけで貴様らを血祭りにできなくもないが、どうせなら、より強力な攻撃で痛めつけてやりたいからな。よーく見とけ!』


「なにをする気よ! きもサイ!」


「なにか集中し始めている。みんな激しく気をつけてッ!」


「くだらないことをしようとしてる。それはなんとなく分かりますね」


「そうね♡」




『フシュゥゥゥウウッ!!』


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォ!!




「なんという波動じゃあっ!」


 パァーンッッ!!


 ライノマンが手の平を合わせたッ!


魔核蝕滅弾まかくしょくめつだん! ゲテモノォォオッ!!』


 ビビッッ! 


 ビビッッ! ビビビビビイッ!


 合わせた手に紅雷こうらいが走り抜ける!


「ゲテモノォ? ネーミングセンスひどくないっ?」


「激しくひどい!」






 ビ──────ビビビビッ!!


 ビシュウッ!! ビッシュウウッ!



 グオオオオオンッ!!



 ライノマンが合わせた手の平をゆっくり左右に離していくと、その間に現れたのは『ミサイル』!



「ちょっと、そんなのありーっ?」


「やっぱり超くだらない!」


 イバラと藤花は改めて腐神のありえない戦闘力に驚いたッ!


『慌てふためけっ!! このゲテモノは当たった奴をにぶっ殺す! 確実にだッ!』


「確実じゃと?」


『どいつに照準を合わせてやろうかな? 俺の手から放たれたら、もう誰かを殺すまでは止まらないっ! どこまでも追いかけていくッ!』



魔核蝕滅弾まかくしょくめつだんゲテモノ』



 当たればもちろんのこと、受け止めても、軌道を逸らそうとして触っても死ぬ。この場にいる誰かが確実に死ぬまで『ゲテモノ』は消えることはないのだ!


 ライノマンは勝ち誇るっ!


『神に逆らうなど、それ自体が死に値する愚行! まずは1匹目! 消え失せろっー!!』






 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォッ!!


 ボオンッ!!  ドウンッ!


 シュゴゴオオオオッ!!


 魔核蝕滅弾まかくしょくめつだんゲテモノが発射された!


『さっきっからブルって固まってる『緑の髪』のガキ! お前からだぁぁああっ!! あはっはっはー!!』


 ゴゴオオオオーッ!!


「は、激しく私ーっ!?」


「美咲っ!!」


「美咲ちゃんが狙われたーっ!!」




 シュゴゴゴゴォォォオオオッッ!!




「美咲ッ! 捕まるんじゃあっ!」


「エ、エロジジィッ!!」


 ガシッッ!!


「飛翔MAX! 天翔絶速てんしょうぜっそくッ!!」





 ズギュウンッッ!!






 陣平は美咲を抱きかかえて一気に50メートル上空に到達!



「くっ! このスピードでも追いかけてくるかッ!!」



 シュゴゴゴゴォォォオオオッッ!!



 ゲテモノは直角に軌道を変え、真上に向かって猛スピードで飛んできた! 完全に美咲の命を奪いかかる!


 ビシュンッッ!!


 陣平はゲテモノをかわして降下。テレパシーで藤花に話しかけた!


『クーロちゃんよぉーっ!!』


『はいっ! 陣平さん!』


『もう一度、炎獄斧フレイムアックスを出すんじゃ!」


『あれ、見た目はゴツくて威圧感あるんですけど、実は使いにくくて!』


『えーい! 頑張らんかい! さっき奴は炎獄斧フレイムアックスを見た瞬間、怖気づいたんじゃ! なんとか奴をぶった斬ってくれぃ!』


『そうなんですね! 分かりましたーっ!』


『奴が死ねばゲテモノが消えるかも知れん! 美咲を抱えての飛翔では、逃げ切るにも限界がありそうじゃ!』


『はい! 今すぐやりますっ!』


 グッ!!


 ギュアアアアーッ!!


「たあっ! 炎獄斧フレイムアックス100%!」


 ブゥゥンッ!! ゴオウッ!


 再び藤花の右手に紫炎の大斧ッ! 決めにいくッ!


「よし! イバラちゃんッ! 西岡さんッ! サポートお願いします!」


「うんっ!!」


「おっけぇ♡」



『やれるもんならやってみなぁっ!』


 陣平の体力が尽きる前に、藤花たちはライノマンの息の根を止めることができるのかっ!?

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