第51話 うんこ
ヘドロが両手を地面に向けたっ!
『出でよッ! 底無し沼ぁあっ!!』
ずおおおおんっっっ!!!
地鳴りの様な音と共に、藤花たちの足元が液状化していくっ!
ぬぷぬぷぬぷぬぷぷぷっ!
「わあっ!!」
「きゃっ!! なにこれーっ?」
「し、沈んでいくわあっ!」
「あっ、足が抜けないよッ!!」
『そのまま全員、溺れて死ねッ!』
ズブズブブブッッッ!
「んもうっ! これでどうよ!」
ボォオォオオッ!!
バキバキバキバキキキキッ!
イバラはぬかるむ足元に冷気を噴射して凍らせた!
「冷たいけど、とりあえず助かったわ。でもっ、ねえ……」
「動けませんね!」
「ご、ごめんっ! でも、これしか」
「激しくピンチ!」
『ヘッーヘッヘッ! やっぱりお前らバカだわっ! いっぺんに全員
ベチョ、ベチョ、ベチョ、ベチョ!
ヘドロはソフトボール程の大きさの泥団子を4つ作り出した。
『お前らの口と鼻、穴という穴全部、この泥団子で塞いで窒息死させてやるぜッ!』
「そう簡単に塞がせないっ!」
ボウッ!!
イバラは
『なんだ? その炎で防ごうって? じゃあ、その両腕を泥で固めて動けなくしてから、じっくり窒息させてやる。いや、その前におっぱいやらあそこやら、触らせてもらおうか」
「なによっ! もうーっ!」
「地味な癖に、エロくて確実な殺し方ね」
「た、助けてえっ! エロジジイ─────ッ!」
美咲は空に向け、思い切り叫んだ!
『なにっ? エロジジイだと? まだ仲間がいるのかッ?』
その時っ!
「おーいっ! 今助けるぞーいっ!」
上空20メートル。猛烈な下痢から復活した甲賀陣平、見参!
「陣平さーんっ!! なんか、かっこよく見えますよー!」
「クロちゃんよー! 下痢のじいさんがよ、かっこいいもないじゃろ?」
「エロジジイー! あいつヤバいんだよ! ベチョベチョで攻撃が全然効かないんだよー!」
「なんじゃ? その『うんこ』みたいのが腐神か?」
『う、うんこだとぉー!?』
「もう、うんこはこりごりじゃ。お前見てたらまた出そうになってきたわいっ! 頼むから消えてくれんかの」
『神をおちょくるんじゃないぜ! ジジイ! 降りてこーいッ!』
『おーいっ! みんな 聞こえるか?』
陣平がテレパシーで全員に話しかける。
『なんですか? 陣平さん!』
『みんな、
『なにするつもりよーっ?』
『分かったよぉん♡』
『激しいのが、くるわけっ!?』
『わ、分かりましたー!」
ボボォンッ!
ボボォンッ!!
ボォオォオオウッ!!
ボォオォオオウンッ!!
4人とも命の炎全開で完全防御態勢に入った!!
「そぉーらっ! いくぞぉぉっ!!」
『な、なにをする気だぁっ!?』
ヘドロの周りには、既に陣平の『ナノレベル』が設置されていたっ!
『なっ! 俺の周りになにかあるっ? いつの間にっ?! なんだこれはっ!?』
「それに気づくとはさすが腐神よ。だが遅かったのう。うんこは燃え尽きて灰になれぃ!」
パチンッッ!!
陣平は指を鳴らした。
ドドドトドドドドドッ!
ボオンッ! ボオンッ!
ドッガアァ─────ンッ!!
『ぶっへえぇえ─────ッ!?』
ブッシュウウッ!!
ジュウウウウッ!!
パラパラ……! パラ……!
「せめてどこかでなにかの肥やしになれ。うんこよ」
シュ──────ッ!
スタッ!
陣平は地上に降りた。
ヘドロの底無し沼は消えていた。
「陣さん! マジで怖いってばあ!』
「すまんかったのお。みんな動けなかったようじゃから、うんこから離れろ! とも言えず」
「すごいのね! 陣ちゃんの命の炎♡あんな爆破があればもう負けないんじゃない? 私たち!」
「西岡さんや。今のはうまくいき過ぎじゃ。あの腐神、死に際にナノレベルに気づいておったからのう」
「確かに『なんだこれは!?』って言ってたわよね」
「あのうんこの腐神、たぶんじゃが、牙皇子の手下の中では『最弱』ではなかろうか?」
「私たちかなりピンチだったわ。陣ちゃんがいなかったら死んでたかも。そんな奴が1番弱いの?」
「武闘家の勘じゃがな。牙皇子の奴、ワシらの実力を試しておる。そんな気がしてならん」
「でも、激しくゼロワールドって5人って言ってたよね? 牙皇子とフロッグマン、それとあと1人ってことだよね?」
「増えてなければ、だよ。美咲ちゃん」
「うー、は、激しく増えてないことを祈りますーっ!」
その時、イバラが倒れている人を発見ッ!
「あの人まだ生きてるんじゃないのッ!?」
ビッシュンッ!!
イバラは慌てて光速移動で駆け寄るのだった。
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