第25話 禁断の遊び
「オラオラぁ!! 俺はニイナちゃんのオマン湖食って、あとは刑務所で暮らす覚悟はできてんだ! 怖いもの知らずの俺様なんだッ! まずはお前らのオマン湖から食っちまってもいいんだぞッ!」
カマキリが鎌を振りかざす。もちろんイバラはまるで動じない。
「ふーん。覚悟はできてるんだ。それはよかった」
「いや、あの、たぶん、そっちの覚悟はできてないと思うよっ!」
「だあああッ!!」
ボウアァッ!!!
「あんっ!? なんだそりゃあ?」
イバラは
「これは喪服。お前の葬式のね」
「な、なんだこの……あっ? お前? 天使イバラじゃねーかッ!? 金髪だから気づかなかったぜっ! あっはは!」
「あら? 気づいちゃった?」
「不治の病で死ぬって噂だったが……そうか、やっぱり売名かッ!」
「ふんっ! なんとでも言えばいい。死にゆくお前に説明する必要はない」
カマキリの視線がタイトなパンツスタイルのイバラを舐め回す。
「そのコスプレ、エロいな。ニイナと一緒に頂かせてもらうぜぇっ!」
カマキリが鎌を振りあげた!
ボボォンッ!!
それと同時に、怒りのイバラの右手に冷酷な青の炎が宿るッ!
「ど、どんな手品だぁ!? こんにゃろ───!!」
ブンッ!!
ビシッ!!
「んへっ?」
カマキリがおもいきり振り下ろした鎌は、あっさりとイバラの親指と人指し指の2本でつままれた。
「なっなんだっ!? うごかねぇっ!! うお───ッ!!」
カマキリがおもいきり鎌を引っ張るがピクリとも動かない。
「はあっ、はあっ!! なんじゃこりゃあ?」
「お疲れ様でしたーっ!」
バキャンッ!!
イバラは空いてる左手でカマキリの鎌を持つ手首に手刀を喰らわせた。
「いってええっっつ!!!!」
完全に骨が折れた。たまらず鎌を離すカマキリ。
「ふんっ!」
バラバラッ……!
イバラが軽く力を込めると、一瞬にして鎌は凍って砕けた。
「ばっ! バケモンだぁ!!」
イバラは慌てて逃げ出そうとするカマキリのベルトをつかんで、それを許さない。
「どこ行くの? 食うんじゃないのー? 私とニイナを。ねえっ?」
「やめたっ! 助けてぇ!!」
必死に外に出ようともがいているカマキリは、痛みと恐怖で泣いている。
「ちょっ、イバラちゃんっ!」
(さっきのマンションとは違う! すぐには殺さないで完全に遊んでる!)
「あっはははっ! そうやって泣き叫ぶ女の子にお前は何をしたの? 言ってみてよ!」
そう言ってイバラは、カマキリを部屋の奥へと引っ張り入れ、ゴミのように床に放り投げた。
ドサリッ!
「うわぁあ! やめてっ! 助けてっ! 許してぇっ! くださいぃぃ!!」
カマキリは怖気付き、必死に土下座をした。小刻みに震えながら。
「お前の死は決まってる。許されるはずがない。そんなのあんたが1番分かってなきゃダメでしょ?」
「ひいぃぃっ! やめてぇっ!」
カマキリは両手で頭を覆った。
「ブラック・ナイチンゲールの名の下に、天使イバラ! ストーカーカマキリ! あんたを処刑するッ!!」
ボアアァァアア!!
ガシッ!
「やめて! イバラちゃん!!」
「藤花!? なんでッ!?」
イバラの青の炎が暴れる右手を掴む藤花の右手は、美しい紫の炎に包まれていた。
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