第4話 満開のSAKURA
「でもイバラちゃんの担当カラーが
杏子はそう言いながら、かわいい笑顔で藤花を見つめた。
「これは運命だよ♡ 杏子ちゃんと応援できて最高っ! ねっ?」
「うんうん」
『赤を積極的に生活に取り入れよ』
これも『
藤花と杏子のスクールバッグには
半年前、藤花がなんとなく
「ん?
気になり画像を検索してみて驚いた。そこには、この世に降臨した天使がいた。
「誰これ? アイドル? 満開のSAKURA?
そして、
この5人で結成されたなかなかエッジの効いたアイドル。それが『満開のSAKURA』だった。
結成2年目を迎える地下アイドル。
元々『踊ってみた』の動画で、ある程度の人気と知名度があった天使イバラが立ち上げたスーパーアイドルプロジェクト。
コンセプトは『かわいいの可能性は無限大』
とはいえ、現在アイドル戦国時代。なかなか地下から這いあがれないでいた。一部の熱狂的変態ファンに支えられて活動ができている。
通常のライブチケットは2千円なのだが『神チケット』という1万円のチケットを購入したファンには、ライブ後『まんさく』に直接会うことができるという特典が付く。
会話に握手、好きなメンバーとのチェキ撮影、ファンレターを直接渡すこともできる。女子限定でハグもOK。
ファンとの距離が近い、それが地下アイドルの魅力だ。
『神チケット』は1回のライブで10枚。希望者が多ければ抽選である。
実は藤花、3ヶ月前に神チケットをゲットして天使イバラと対面を果たしていた。
その時は、あまりの緊張と興奮で会話もままならず、ファンレターを渡すのが精一杯だった。ハグもできず、撮ったチェキも貰い忘れそうになるなど散々だった。
そして、再び今週末に控えた『まんさく』のライブ。すでに2人は『神チケット』をゲットしていたのである。
「藤花、今回は緊張しすぎちゃだめだよー。神チケット高いんだから」
「うん。今度は絶対ハグする。匂いも嗅ぐ。髪の毛採取する。お尻も触る」
「おいおいおいおいーっ!」
「あはははっ! じょ、冗談だよ!」
藤花の鼻息は荒かった。
天使イバラのかわいさ、生き方、考え方。『永遠の方舟』とは違う崇拝感情を、藤花は彼女に抱いていた。
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