第33話
「ですが必要以上に脅威を感じることはありません。」と女は言葉を続けた。
村長も含めて一同は皆驚いた。
「何故そう言われるのです。」と皆を代表して村長(祖母)が女に聞いた。
女は「まだ4日あります。また盗賊は全員集まって十数人余りです。」
「全員が集結する前に分散して捕縛すればよいのです。」と更に女は続けた。
「概ねの日時場所の把握はしております。
そこに罠を仕掛けるのです。上手くいけば
三日目までにはすべて解決するでしょう。」と女は皆を安心させるような満面の笑みで答えた。
一同はそんな笑みに見惚れたが村長は我にかえり「本当に大丈夫なのでしょうか。具体的にはどのようなことをすればよろしいのですか。」と女に聞いた。
女は「皆さまは狩をする時に罠を仕掛けたことはお有りですね。」というと一同は頷いた。
女は更に続けた。
「簡単ですが深い落とし穴を指定した場所に
日時までに完成していただけらばよいのです。
あとは盗賊たちが勝手にかかってくれるでしょう。」
「ご足労をお掛けしますが、
皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。」
と女は三つ指だけを床につけ手の甲が見えるように深かぶかと頭を下げた。
そのあまりにも優雅で上品な立ち居振る舞いに皆は一瞬で心を奪われた。
そこに農地開拓の現在責任者の男は
「こんな女神さまに頼まれてはいやとは言えないな。」と言い
他に集まった男たちもの「こんなべっぴんさんに三つ指つかれてお願いされたら断れないだろう。」と口々に言葉を発した。
そんな光景を女性と少女と村長は安堵の表情を浮かべて見守り
女は微笑みながら眺めているのだった。
第33話序章 完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます