第26話

傷の大男は丸太を切断したもの上に座っていた。

丸太は年輪がかなりあり大きくその上に乗っている男の大きさがわかる。

周りの壁は入口と同じに光る苔が洞窟の天井まで繁殖しさながらプラネタリウムのような幻想的な光景だ。

篝火の反射が幻想的な風景を醸し出しいるのだが、それ以外にも洞窟には不似合いの調度品の数々や砂金などが輝きを放っていた。

蛇に似た女は傷の大男の前に立って語り始めた。

「手筈通りに今度襲う村の様子を見てきたよ。なかなか裕福で悪くない村だ。夜に抜け出しあたりを見ているととんでもないものを見たよ。」

「とんでもないもの」 と低く響く声で大男は言った。

「天女か女神かっていうくらいの絶世の美女で女の私も思わず見惚れてしまいましたよ。」

「はははははは!」傷の大男はいきなり

大笑いした。

「俺もいろんな女をものにしてきたがそんな女見たこともない。寝ぼけてたんじゃないのか。」と半分呆れ顔で傷の大男は言った。

「嘘じゃありませんや。なんなら賭けてもいい。」

「ほう、何を賭けるというんだ。」と傷の大男は言った。

「私でどうですか?!」と蛇に似た女は言った。

「お前をか?!」傷の大男は困り顔で言った。

正直,傷の大男は女としては蛇に似た女は苦手だった。

「私じゃ不満ですか!」と膨れ顔で蛇に似た女は言った。

「それじゃ重すぎだろ!遊びの賭けでそこまで考えるか!?」

傷の大男は顎に右手を当てながら言った。

本音は蛇に似た女と男女の仲になるのが嫌だったのだ。

蛇に似た女は不満顔で「では私は何を賭ければいいんですか!?」と聞いた。

「そうだな!本来今回のような様子みは他の部下に代わる代わるさせるが、

しばらくお前の役目というのはどうだ。」

と傷の大男はばつが悪そうに言った。

「わかりました。じゃあそれで!」

「ちなみにお前は何が欲しい!」

「それではそこの砂金を袋いっぱいに!」

と懐から少し大きめの革製の袋を取り出した。

「決まりだな」と傷の大男は言った。

「それじゃ部下に召集をかけろ!

襲撃は4日後の早朝に決行する!」

と傷の大男は立ち上がりながら言った。

蛇に似た女は「承知、直ちに召集をかけます。お頭!」と傷の大男に片膝をつき頭を下げながら言った。


第26話序章 完







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