第18話

それは雅と呼ぶに相応しい宮廷の行列に似たものたちだった。

彼らは数列に並んで上品な立ち振る舞いをしながらゆっくりと女と女性の元へと向かって来ていた。

だが女には違和感があった。

彼らの行列は自分たちの位置から遥か先の大穴より出現したのだ。

にもかかわらず目視が可能であること。

優雅な動きであるにも関わらず地面に接地している部分は動作の間に驚くべき距離を移動していたのだ。

しかも行列は女と女性と比較して数倍の大きさがあった。

咄嗟に女は女性の手を引いて逆方向に歩み出した。

だが行列との距離は開くどころか縮まる一方だった。

女は「…………」と言って女を制止しようとした女性を半ば強引に引っ張り走り出した。


18話序章 完





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