第17話

そして女性は女を直視すると「………様」と

呼んだ。

だが女は誰のことを言っているのかわからなかった。

ただそれは記憶を失う以前の自分の名であることは理解できたが他人の名前であるように思えたのだ。

女性は女を心配して何度も言葉を交わしたが、その行為が行える時間は限られていた。

いつまで経っても自らに向かって歩んで来ない女性に対して黒い穴からあるものが出現したのだ。


第17話序章 完

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