第15話
女は彼岸花(ヒガンバナ)の生い茂る野に降り立った。
一面に咲き誇る彼岸花は現世では花、茎、根に至るまで毒があると言われるヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で
この世あらざる場所では現世と死後の世界の境界にあるとされる花である。
女は降り立つとほぼ同時に必死に女性を探し始めた。
一面の赤い花の先に女性らしい姿が見えた。
だが女性の側には女性以外の人々の姿も見えた。
女はその状況を見て直感的に走り出していた。
あれはよくないもので女性はそれに巻き込まれる。
必死に女は走るもその距離はなかなか縮まらなかった。
道半ばまで来た女は女性と周りの人々が何処に向かっているのか理解した。
女性は遥か先にある洞窟のような黒い穴に向かい歩き続けていた。
女は一瞬自らの身に起きていた出来事が脳裏をよぎった。
あれは自分の身に起きた出来事に似ているがそれよりよくないものであると思った女は必死に女性の元へ走り続けた。
女性の元へ辿り着いた女は女性の手を掴み動きを止めるとその顔の表情を覗きこんだ。
15話序章 完
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