第10話

その眼(まなこ)を開けた女はしばしのあいだ

瞳の焦点が合わない放心状態だったが、

ゆっくりと体を起こしはじめた。

体を起こし中腰で座ったかたちとなった

女の体から布団がずり落ち極めてかたちのよい乳房が露わとなった。

理想的なお椀型の乳房に乳首は大き過ぎず小さ過ぎず真ん中に配置されほんのり桜色の絶妙な色合いをしていた。

胸から腰にかけての女性らしい線に

ウエストのくびれからお尻は水蜜桃を思わせる見事なラインをしていた。

その裸体に肩の下まである艶のある見事な黒髪が生え見るものの眼を釘付けにする美の女神の化身のようだった。

だがよく見ると女はその容姿がやや幼く見て取れた。

歳の頃からは16、7歳というところだろうか。

女は上布団がずり落ちて自らが裸体の状態であることを認識すると誰が見ているわけでもないが頬を僅かに桜色に高揚させてとても女性らしい所作で上布団で胸の高さまでを隠した。

だがしかし女はその動作を終えると上布団を押さえている手の逆側の左手で額を押さえながらある事に気づいた。

「私は誰なの!」と。


第10話序章 完



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る