第6話

知り合いの奴隷商人の所に行き、入り口のドアを開いた。奴隷屋なだけあって静かだった。

チャリンチャリン。鈴が付いていて音が店内に響いた。裏から店員がでてきた。

「アルトさんじゃないですか」

「どうも。買いに来たぞ」

「それはそれは。希望の奴隷は?」

「料理ができて、常識を知っていて、しっかりした子がいいな」

「それならおすすめが居ます。見ますか?」

「見よう」

奴隷見極め部屋に入れてもらった。裏から耳のとんがった女の子を連れてきた。

「その子は?」

「最近、入荷したばかりのエルフの女性です。それもなんと処女なんですよ。やりがいがありますよ」

「なんか売り方がいやだな」

「すいません。でも消費の質は保証します」

「そうか」

少し悩んだ。少し近づくと震えていた。

「この子に何があった?」

「調教中に暴れたこが無くなったんですよ。それも目の前だったから余計なんでしょうね」

「そんなことが」

「どうされますか?」

魔眼に魔力を込めた。鑑定を起動した。

ミシャ・コマンナ

レベル21

HP120/980

MP452/780

槍術Lv4

風魔術Lv3

水魔術Lv5

生活魔術Lv6

料理Lv25

属性

風、水、

だった。仕方ないから買うことにした。

「買おう。いくらだ?」

「普通は金貨35枚の所を命の恩人でもあり、手間のかかる奴を引き取ってくれる点をはいよして、金貨5枚でどうですか?」

「基本値段を知らんから何とも言えない」

「そうですか。契約に移りましょうか」

「はい」

奴隷契約規則の書類にサインをした。血液を少し垂らした。それでよく用いられる奴隷紋も書いていた。少し苦しんでいたが少し経つと髻になった。

「契約は終了です。今日からその子はあなたの奴隷です」

「ああ。立ちなさい」

「はい」

立ってついてきた。

「毎度あり。またのご来店をお待ちしております」

もう来る気ないのに言われてしまった。少し歩いた所に会った店に入った。女性もの服屋さんである。

「この子に合う服を数点、選んでくれ」

「下着も?」

「はい」

「頼むぞ」

「了解しました」

暇だから服を見て回った。可愛いものやクールなものまでいろいろあった。二階に行くと下着だった。Tバックまで売っている始末である。あの子に穿かせる気は全くない。普通のものを履いてくれればいいと考えている。そんなことを考えながら周り一階に降りたころには終わっていた。

「合計で銀貨三十枚になります」

金貨一枚で払っておいた。お釣りが帰ってきた。

「これお小遣いな」

お釣りを渡した

「私なんかが貰ってもよろしいですか?」

「いいだろ」

「普通のご主人様は渡しません」

「そいつらの一緒にしないでくれるかな」

「すいません」

「気にするな」

「はい。本当に申し訳ございません」

「そんなに謝るな。それだと苦しい」

「はい」

買い物を一通り終えて家に帰る。思ったよりも豪邸で驚いた

「貴族なんですか?」

「自分にもわからん」

部屋を案内した。冷蔵庫に食品は入れておいた。

「これを使って料理をしてくれ」

「わかりました。頑張ります」

「そんなに張り切らなくていいよ」

「そうですか」

少し張り切り過ぎて心配している。そこまで気にしなくてもいいのに。もう少しリラックスしてやればいいのに。無駄に意気込みやっている。それだと失敗するから今すぐに辞めて欲しい。

それから数日して倒れた。王様の知り合いで亜人医者を寄こしてもらった。調べてもらったが疲労であった。医者がとんでもないことを言っていた。悪労呪いであった。それも二連魔法錠が掛かっていた。これりゃあめんどくさい。

「これどうした?」

「奴隷商人、にわたる前に、変な人にかけられた」

「そうか。『解析』」

数分で終了した。思っていた以上に複雑な仕掛けはなかった。そこに驚いてしまった。普通なら罠とかを仕掛けるものであるがそんな類ものが全くないのも腑に落ちない。

「『逆算』」

解除をした。

「どうして、聖女でも解除できなかったのに」

「聖女もやったのか?」

「奴隷商人様が、これがあったら売れないとかで」

「あいつ。まぁいいけど。そこまで気にするな」

部屋に戻って寝た。次の日おじやを作って持っていた。起きて仕事をしようとしていたから止めた。ベッドに戻しておじやを食させた。

「美味しいです」

「昔冒険でよく風邪をひく奴が居て、おじやは俺の十八番だ」

「そうなんですか。今日は休め」

「しかし、あなたの仕事の周りの仕事や掃除が」

「そのくらいどうにかするから休め」

「はい」

片づけをした後、風を用いた掃除をして、皿類を綺麗に手洗いした。服を持って外に出て桶に水をためた。生活魔法『』を発動して水を浮かせてその中に洗剤を混ぜてそこに服を入れて高速回転させた。新しい水を持ってきて同じ様に浮かせて洗剤に入っている服を次々に通して洗剤を落とした。

「ふぅ。疲れた」

二日間で復活した。驚く回復速度。そんな時に珍しく裏メンバーの一人が接触してきた。

「アルと様、王様から伝言です」

「ん」

壁に背中をつけた。

「これを聞いたら至急、王城に来い。奴隷を連れてきても構わない話は通してあるから」

「あいつに買ったことがお見通しなのだな」

「以上になっています」

「わかった。それって門をくぐれとか言っていたか?」

「とくには」

「準備して向かう」

「承知しました」

一応、正装をした。

「なぜ正装を?」

「エプロンを脱げ」

「はい」

服以外持っていないことを確認して手を掴んだ。

「やはり、されるのですね」

「『転移』」

王様が居るところに指定して飛ぶと応接室だった。誰かと話していた。

「よぉ。来たか」

「よす。きました」

「久しぶりね」

「嘘、久しぶり」

「知り合いですか?」

「ああ。久しいな」

「そうね」

「その方は?」

「王妃だよ。男性の方が王様」

「どうしてそんな口の利き方をされているのですか?罰をされませんか」

「それはしないな。そいつには恩しかないし、」

「そうなんですか」

「ああ。それにそいつの正体知らないのか」

「知りません」

「そうか」

「なら教えてあげる。偉大なる賢者様の転生体だよ」

「しかし、その方は亜空間に居たはずですね」

「数日前に帰って来たんだよ」

「そうなんですか。しかし、戻る方法は見つかっていません」

「それを発見したんだよ」

「そんなことがあり得るはずがありません」

「ありえるよ。それができるから職業神から賢者と言う職業を貰ったんだから」

「でも」

「それにこのことは命の恩人だし」

「だからいっただろ。あれはあいつにイラついてただけだって」

「そんな事言って本当は助けたかったんじゃないの」

「それは少しはあるが」

「やはりな」

「それで何で呼んだの?」

「妻居るか?」

「いると思うか?」

「思わんな」

「俺に作れと」

「勿論、それでヒリーヤミ子爵家はどうだ?」

「そこって」

「ああ。魔王対戦で救った家だな」

「どうしてそこなのかな?」

「なんとなくかな」

「それそれで困り者だな」

「そう?私はあそこの家は気に入ってるかな」

「そうなのか?」

「個人的な付き合いもあるし」

「そうか」

「君に紹介するのは救った時に小さかった女の子の娘さんだよ。正妻の娘だから問題はないと思うよ」

「待って、婚約するのが前提なのか?」

「だって今やお前は英雄であり、大公爵家当主だからな」

「え?」

「エルフちゃん知らなかったの?」

「はい」

「僕も初耳だ」

「言ってないからな」

「それはそれで困りものだと思いまずが」

「気にするな」

「そこは気にするだろう」

「紅茶でも飲んで落ち着きなさい」

紅茶を出されたから椅子に座った。

「お母様、誰かいらっしゃいるのですか?」

ドアを開けながら聞いていた。

「いるわよ」

開けて僕を見ると、

「どうも」

「驚かないのね」

「一度お会いになっております。強さも知っております」

「久しいな」

「そうですね。あのときはありがとございました。お礼を言う前に行ってしまったから」

「気にするな。やりたくてやったにすぎん」

「そうですか」

「この子、昔からなにもかわぬな」

「そうですかね」

地下の方から膨大な魔力を感じるが今度にしよう。それから簡単な雑談をして家に戻った。

「ご主人様、何をされるのですか?」

「召喚魔法をね」

「手伝います」

「休んでていいよ。王様と会って緊張して疲れているだろうし」

「なんでそれを」

「見てればわかる」

「なら」

魔法陣を地面に魔石のチョーク型のやつで書いた。少し特殊型である。魔力を流し込んだ。どんどん吸うから限界まで挑戦してみた。十二分の一を吸ったところで止まった。魔法陣が黒く輝き、真ん中からでかい魔狼がでてきた。

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