第5話
「エイ、大丈夫か?」
「うん。賢者様が守ってくれたから」
「アルト、大丈夫か?」
「結界で防いだ」
「そうか」
「どうしてここに出ているとわかったんですか?」
「転移魔法というものがあっていな。それで一度いったことがある場所なら設定付きで飛ぶことができるんだよ。その設定に敵に出現をセットしたら目の前に飛ばされて焦った。魔術がもう完成していて撃つ直前で三連結界魔術陣が限界だった」
「それのギリギリでよく三連分張れたな」
「このくらい慣れ」
「この数十年何があったんだよ」
「色々ありましてね」
「そうか」
「それで先から器とどうしてにらめっこしている」
「先、ルーク。逆算とか言っていました」
「もしかしてこれを解除する気か?」
「解除出来るんですか?」
「普通の人間では不可能だ。頭で魔術式と起動式を処理するのは知っているな」
「はい」
「それの処理に十倍の負荷がかかるのが逆算だ。だから好んで使うものは居ない」
「それを今、実行しているってことですか?」
「さすがだよ。これほど複雑ならとんでもないほどの負荷がかかるあろうな。それを痛みを見せずに解析してやがる」
「終わり」
「え?」
「終わったのか?」
「ああ。いつでも解除出来るが、解除したところで解決にはならない。ちょっくら行ってくる」
「はぁ?」
ジャンプして範囲に入り、転移した。行くと思っていた以上にしっかりとした建物だった。幻術魔術で俺が知っている限り一番数字が少ないヤツになった。第三階である。
「これはシーサ様では無いですか。わざわざここまでいらっしゃったんですか?」
「ここの主人の所に連れていけ」
「何かあったようですね」
「ああ。こちらがねっていた計画が無駄になったからな」
階段を上がるとしっかりとしてドアがあった。開けると威張り散らかす奴がいた。
「グレイ様。この方が用事があるようです」
近くに行った瞬間に剣で首を狙われた。
「何をしているんですか」
「こいつは数年前に死んだはずだ」
「バレたなら仕方ないか」
幻術魔術を解除した。剣を止めた指が思った以上に痛かった。
「
俺の回転と同時に花びらがちってそれがどこかに当たった瞬間に爆発した。大半の敵を殲滅したがボスは少し聞いた程度だ。援軍が沢山来たから、
「
一瞬にして凍りついた。指をパチンとすると弾けた。弾けたやつが敵と認識したヤツらに飛んでいき、次々に敵を倒した。
剣で斬りに来たから体術の剣技があるからそれで対応しようと思ったが剣の少し異変に気づいて
後ろにジャンプした。
「どうした」
「その剣、毒か何かが仕込まれているだろ?」
「さぁな」
「そう来るか」
腰の袋から剣を取りだした。魔剣でもない普通に店で売っているような剣。斬撃、斬れ味などなど必要なものをかけた。あと一個かけると数分で弾けるほどの負荷がかかっている。
上手い具合に剣を忍ばせてきたから剣で守ると剣が溶けた。予想以上に濃度が高かった。退けるのが侵食してきたから投げつけると剣で弾いた。
「ああああ。痛い」
あの剣と違って最初は痛いが最後は自分がなんで死んだのか分からないくらい痛みがない毒である。神経血管から崩壊させる少し危険な毒である。
「ふん。最初だけかよ」
時間をかけるのもどうかと思い、仕方なく、
「魔剣召喚」
空中上に魔術陣が出てその真ん中から柄がでてきた。それを掴んで引き抜いた。魔術陣は消えたが剣は残っている。
魔剣滅麗である。魔術だろうと根源だろうと人体だろうと斬ることが可能な剣である。これは魔術王と呼ばれる人から頂いたものである。この剣は強すぎるが上に亜空間に魔術王ごと飛ばされたらしい。
切り込んだ。やはり見た事がない剣筋に対応が出来ずに食らった。体に触れた。触れた瞬間にそこが消えた。
「何が起きている。その剣なんだよ」
「さぁね」
二度目なこともあって弾かれしまった。剣が当たったところから消えかかった。それで頑張って防ぎ続けているがいつまで持つか分からない。
「その程度か」
「うるさい」
カキンカキン。剣が何度も当たりあっている音。ボスベアをフルに使い、逃げたり責めたりを繰り返して戦った。それでも剣は跡形もなくなりつつあった。でもバンパイヤは諦めていなかった。
「俺には、魔王が居る」
「それはどういうことだ」
「アルトという。魔術王はこのせいにもう一度魔王を召喚することが目的である。絶対に成し遂げて」
頭から下まで半分に切り落とした。そんなことさせて溜まるか。とかお思いながら降りると魅力で取りつかれていた人間が灰になり始めた。骨が沢山あるところに行き、手を合わせた。
「俺が早く帰ってくればこんなことにならずに済んだかもしれないな。済まない」
頭を下げて城をあとにした。思った以上にデカくて驚いている。外に出ると少し日が沈みかけていた。下に街があったから行くと一人もいなかった。と思ったら後ろから木の枝で攻撃を受けたから手で受け止めた。振り返ることもせずに。
「おおおおおおおおお。死ね。これは家族の恨みだ」
「・・・・・・・」
「なぜ俺の場所がわかった?」
「叫べばその振動場所から大体は割り出せる」
「そんなものか?」
「さぁな。俺だけかも」
「しね」
棒で叩こうとしてきたから取り上げて投げ飛ばした。
「冒険者が余計なことをしたからこの街は滅んだんだ」
「はあ?なんの事だよ」
「数年前に勇者と名乗るものが来た。そいつらが森の支配人のドラゴンを怒らせたことでこの街は周りにいた魔物から攻撃を受けて消滅した」
「そんなことがあったのか。それは運が悪かったな」
「他人事みたいに」
「俺だって知らねえ。それにギルドカードを見せてもらわなかったのか?一応、冒険者には提示を求められたら見せないといけない義務がある。それをしなかったのか?」
「しようとしたさ。でもお前たちに名乗る?馬鹿じゃないのか?と言われて結局見られなかったんだよ」
「そうか。それは俺に関係ないな」
帰ろうと思い、歩き始めた。話しながら意識を伸ばして魔力探知をした。誰一人もいない街になっていた。
「仕事終わり、僕は帰るから」
「俺も連れていけ」
「お前役に立つのか?」
魔眼に魔力を込めて根源を見るついでに鑑定で確認した。
ジョナサン・デミ
レベル3
HP 150/500
MP 50/50
スキル
土魔術Lv1
属性
剣術Lv2
土
「役に立つ」
「囮としてもダメだし、魔力濃度もダメダメだな」
「お前まさか、解析持ちか?」
「さぁな?」
「俺のステータスを勝手にみるな」
「弱いも」
「そんなことは無い」
「いや弱い。女ならまだ考えやるが小僧を拾う気にはなれ」
「女性好きか?」
「お前に関係ない」
面倒事に巻き込まれる前に帰るか。引き剥がして壁に投げ飛ばした。
「じゃあな」
転移を発動した。投げ飛ばされたところから走って僕を掴んだ。そのせいで連れてきてしまった。王城の王の居るところに指定すると王家の間に転移した。人と話していた。
「よく帰ったな。で?」
「ボスまで全て殲滅したが何か問題が?」
「それはだいたい予想が着いていた。お前に張り付いているやつだよ」
「本当に迷惑でしかない。バイヤーナの唯一生存者」
「あの町が占領されていたか」
「ああ。それとバイヤーナの近くの森にいたドラゴンを怒らせた覚えは?」
「ないな。近くの洞窟の聖剣なら抜いたが。それにしたって村長の許可はとった」
「だよな。どういう事だ」
「誰だよ。お前ら」
「この方はアーレシア国家の現国王でありながら勇者でもあるお方だよ。その膝を着いているものは知らん」
「こいつが」
「こいつでは無い」
「どうしてそんなことがいえる」
「魔力因子がなかった」
「え?」
「普通の人には見えていないが魔力を使ったあとは魔力因子が残るだよ。特に勇者の因子は特殊で記憶していたから話を聞いたからついでに調べたらなかったからな。あれほど弱いものなら今はD辺りだと思うぞ」
「そんなに分かるものなのか?」
「魔眼のおかげかな」
「その目で見抜くことが出来るのか」
「ああ」
「それでどうするつもりだ?」
「こいつ以外亡くなっているし、犯人探しは難しいと思うぞ?」
「そうか。そいつ、お前の弟子にどうだ?」
「こんな使えないやつはいらない」
「そうか。ならゾークト」
「はい」
「こいつと奴隷契約しないか?」
「それには奴隷商人を呼ばないとない。無駄な手間があります」
「アルト、奴隷契約出来るか?」
「俺を誰だ思っている」
「そう来ると思っていたぞ」
「錬金術小太刀」
空中に小型ナイフが出来た。腰の袋から皿を出した。膝を着いている人に近づいて、
「指を」
「はい」
小太刀を指に当てた。そうするとスート切れた。そこから多めに血を出した。
「本当に出来るんだな」
筆を血につけた。少し混ぜてそこ僕の血液を数滴垂らした。着いてきた男に近づいて胸元を引っ張った。痩せきっていた。そこに円を書いて、中には奴隷紋に似せた特殊なデザインを書いた。
「ふぅ。踊れ、踊れ、回れ、回れ、人に尊敬を持て、我々に従えて、汝の理を壊す。奴隷契約」
胸元に書いた奴隷紋が反応した。数分痛いと叫んでいたが数分すると落ち着いた。
「これって完了したのか?」
「一応は、命令してみたらどうですか?」
「ならそこに座れ」
「嫌だね。あーーーーーーー」
痛みに地面に倒れた。
「ハアハアハア」
「これ普通の奴隷紋より強くないか?」
「普通のやつに改造を加えて魔力を加えることによって絶対的な忠誠を行うことが可能ですよ」
「そうなのか」
「こいつの常識に惑わされるな」
「え?」
「こいつの常識が昔過ぎるんだよ」
「まだ若いのに」
「そうだな」
その後、何か話していたが俺には関係ない事だから寝ていた。なんか殺気を感じたから起きて見ると王さまが出していた
「何かあったか?」
「お前、話聞いていたか?」
「聞いてないな」
「よくそれで賢者を名乗れるな」
「それだけの実力者ですから」
「それが少しむかつく」
「すいませんね。それで」
「これからどうするつもりだ?」
「奴隷でも買いに」
「また奴隷に手を出すのか?」
「いいだろ」
「まぁ。勝手だけどさ。家を手配してやったぞ」
「助かる」
鍵を受け取り、王城を出た。
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