第4話
「俺はこれまで何を」
「誰かに乗っ取られていたんだよ」
「そのために意味の無い決闘を受けたのか?」
「俺がこれまで必要以外に干渉してきたか?」
「なかったな」
「そうだ。俺の身分証とギルドカードを発行してくれ」
「ああ。任せておけ」
「頼んだ」
「それにしてもこうやって一緒にあるく日が来るとは思いもしなかった」
「それは俺もだ」
「そうか」
「神剣はどうしている?」
「気になるのか?」
「ああ」
「昔、好きだったもな」
「悪いか」
「悪くは無い。数年間は部屋にこもって考え事をしていた。部屋から出ると報酬としてギルド長をやるようになってそこで出会った伯爵家の男と結婚した。ギリギリまで悩んでいた。お前のこともあっていな。妻の言葉に背中を押されて結婚に踏み切っていた。今は一人の子に恵まれて楽しそうにやっているぞ」
「そうか。お前も昔は子作りをしているのかというペースでエッチしていたもな」
「うるせい」
「ごめんなさい」
その後手配してくれて直ぐに届いた。一日目は王城に泊まった。ギルドカードの作成に少し手間どっているらしい。隠蔽魔術でSランクを隠して周りにはFランクとして振る舞うことになった。本当は新しく作るつもりでいたがそれだと国王が協力できないということで再発行という形をとった。発行されてからは少し裏組織に行き、情報収集をしたが全く情報が手に入らなかった。何か情報になるものがないか探していると太った男性が鎖の中に監禁されていた。
「何やっているんですか?そういう趣味ですか?」
「そんなわけない。捕まって監禁されているんだよ。助けてくれ」
「分かりました。少し下がれますか?」
鎖で上に結ばれていたが頑張って下がってもらった。
「
風邪で鉄筋をカットした。中に入り、
「
で助けてあげた。
「ありがとうございます」
「どうしてここに?」
「ここは裏組織エートリマーの基地ではないですか?」
「知らんが、裏組織なのは間違えない」
「仲間は?」
「いない。一人で来た」
「そんな、ここは一人で倒しきれる量では無いですよ」
「そうですか?普通に弱かったですけど」
「そこまで強いとは?」
「どうも。名前を聞いていませんでしたね」
「私の名前はズッキーゲドムと言います。アーレシア国家で認定奴隷商人をしております」
「奴隷を売っているのか?」
「はい。あの街で唯一国で認定を受けている奴隷商人でございます」
「そうか。あの王も奴隷嫌いそうでも無さそうだしな」
「そうですね」
「送っていこう」
「助かります」
王にここに来ることは事前に知らせてあったから騎士団と魔術団を動かして盗賊を確保していた。
「すごい光景ですね」
「そうですね」
王が用意してくれた馬車に乗り込み、国に戻った。盗賊や不正奴隷売買をしている連中に体術のみで倒して回ったから魔力は正直いって断然余っているが一般人には転移魔法は刺激が強すぎるからやめた。町について店の近くまで送った。
「すいませんね。ぜひ私の店に来てくださいね」
「ああ。そのうち伺う」
「どこに行きましょう?」
「王城に頼む」
「はい」
王城より反対方向に来ていたから行くのに時間がかかった。入口に行くとお待ちしておりましたみたいな感じで通された。この人何者という顔で見られて少し嫌だった。別に俺そこまで偉くないし。王様とは昔仲間だっただけでしな。降りるとメイドに案内されていくと王家の間ではなく、応接室だった。
「お前、なんのつもりだよ」
「いやな。王家の間だと緊張するだろう?だからやめてここにした」
「それは分かった。入口だよ。身分証明書を見せたら血相を変えたんだけど」
「当然だろう。偉大なる魔術師様なんだから」
「そうですか」
「調べてみたが分からなかった。でも学園に少し関係を持っているのは掴めた」
「わかった。こちらから聞いてみる」
「助かる」
「例のものを」
でかい皮袋を渡された。思っていた以上に重かった。中を見ると白金貨が沢山入っていた。
「どういうつもりだ?」
「お前の働きに対する報酬」
「こんなにか?」
「当然だろ」
「わかった」
異空間袋に入れ替えた。この街がふたつはいる分くらいの大きさである。
「これからどうする?」
「さぁあな。適当に過ごすよ。調べながら」
「そうか」
「じゃあな」
「ああ」
王城を出た。空中に変な物体が飛んでいるのが目視出来た。魔眼に魔力を込めて見ると魔族因子を持つバンパイヤだった。なんであんなものがここにいるとか思いながらいると黒い炎を街にはなった。ここで目立つのもなと思ったがこの街が焼かれてしまったら俺が命懸けで守った意味が無くなると思ったから裏道を使って現場まで走った。騎士団と魔術団が必死に水で消そうとしていたが炎の方が強くて消せていなかった。指をパンチんと鳴らすと炎が消え去った。極級イリュージョンである。本当は空間魔術でその空間のみを一瞬で異空間に飛ばしてそこで一瞬にして炎を消して戻すという。失敗するとそこに穴が開く魔術である。
「どうして急に」
「俺たち何かしたか?」
「わからんがラッキーだな」
「これって」
未完成の状態で一度、神剣の前で使ったことがあったから勘づかれたかとお思いながら飛行魔術を準備した。
「もしかして、でも賢者は亜空間に消えたはず」
「騎士団団長、どうかされましたか?」
「なんでもない」
「ならいいのですが」
整ったから起動して空を飛んだ。僕に対して次々に黒い炎を飛ばしてきた。
「
炎の玉を一発の魔術で召喚して飛ばした。二個で消滅させて近づいた。
「来るな。来るな」
次々に投げてきた。それに対抗する手段は大体している。焔火魔術師と呼ばれた人が極位獄炎弾を連続で撃ってきてそれを解析してそれに対抗する魔法を即生成するという訓練していたからこのくらいお手の物である。少し煽ってみることにした。
「その程度か」
「うるさい」
さらに増えたが問題は無い。連続無詠唱で生成して消滅させている。少しずつ僕の魔術の生成スピードがうわまりつつあった。
「
これまでよりでかい炎の玉がバンパイヤの真上に出た。暗くなったことを不思議に思い、上を見て驚いていた。
「どうして普通の人間が上位以上を使える」
「人間を辞めたからかな」
「そんな訳、人間を辞めたら人間体を保つことは不可能とされているはず」
「それは昔のことだよ。それにそれを軽く超えるの僕だしね」
「クソ」
黒い炎を投げ続けたがそれを吸収してさらに大きくなり、飲み込んだ。焦げて落下した。少しまずいと思い、巨大だまを消して焦げたバンパイヤに触れた。
「封印」
唱えると触っているところを中心に変な紋章が広がり拘束しているようになった。
「お前は俺たちの特性を理解しているようだが、まだ甘い。侵入したのは俺だけじゃない」
「嘘。めんどくさいな。転移」
王城の敵が出ているところに転移を設定したら敵の目の前に出た。それも魔術を発動する直前である。まじでこういう演出要らねえから。三連結界陣をハイスピードで展開した。三連が準備できる限界だった。もう少し時間があれば重ねがけ出来るのにと思いながら展開した。攻撃がゼロ距離で飛んできたが防いでその反動で反対に飛ばされていた。足に魔力を込めて蹴り飛ばしたことにより頭が消滅した。封印をかけて終了したと思ったがまだだった。部屋に戻ると転移用魔術陣が付与された容器があった。ガラスが割れた音に王と息子がやってきた。
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