第3話

自分に鑑定を使うと、

アルト・ザッケローニ

レベル測定不能。

魔力580000

スキル測定不能

属性測定不能

であった。大半が神と同等、いや、神以上でこの世界の魔術では測定ができない。普通はこんなことがありえない。知っている街に行くことにした。でも身分証明書を持っていないな。どうするかな。とか考えながら街に向かった。

入ることばかり考えていてもっと楽に来る方法を忘れていた。着くとやはり停められた。

「身分証明書か冒険者カードの提示をお願いします」

「それがまだ発行してなくてな。この街で発行しようと思っていた」

「何か犯罪とかは?」

「多分ない」

「そうですか。一旦の身分証明書を作ります。銀貨一枚です」

ちょうど渡した。

「名前を」

「アルトだ」

「アルト」

手書きで書いてハンコを押して渡してきた。

「仮身分証明書だから直ぐに冒険者カードか身分証明書を作りなさい」

「はい」

通してくれた。街並みはそこまで変わっていなかった。いつも集合に使っていた噴水に行くと見覚えのある顔をした石像がたっていた。これはなんだと思いながら見ていると、

「それを知らんのか?」

「はい。これなんですか?」

「前国王が最初の政策として平和をもたらしたアルト様を祀っておる」

「え、前国王とは?」

「勇者だ」

「今の国王は?」

「勇者と聖女と呼ばれたものの間に生まれた子らしい。ギフトを持っているとか何とか」

「そうなのか。神剣と呼ばれたものは何をしている」

「そのものならギルド長兼騎士団団長をやっておるぞ。あの方に剣で勝てるものいないほど美しい」

「そうか。アルトという人は?」

「数年前に戻ってきて、今は魔術王とかいう名前で活動しているとか何とか」

「そうか。いいことを聞いた」

「気にするな」

俺の偽物がいるのか。少し調べてみる必要があるな。その前に勇者に会わないと何も始まらないな。侵入方法はなかったかな。新しくなっているしな。あ、もしかしたらあれが残っているかも知らない。地下水路に降りて少し行ったところを曲がって鉄格子を外して中に入ってさらに奥に行くと壁があった触れるとここは五重積層結界陣だった。仕方ないな。

「ルークにアクセス。逆算」

こっちの方が複雑だった。なんでここまで複雑になっているのかは知らないが。解除を終えると壁が勝手に崩壊した。さらに奥に行くと普通の壁があった。魔力を拳に込めて殴ると破壊できた。破壊すると王城に入れた。やはり残っていた。少し前に何かしらの弱みを握れないかと思って作っておいた洞窟が役に立った。俺の地位はそこまで高くないから気をつけていかないといけない。

上の鉄格子を外して空気穴みたいなのに入り込み移動した。王様の部屋らしきところまで。上から見ると勇者で間違えない。でも少し老けていた。鉄格子を外して降りた。

「誰だ?」

「誰だろうね」

頭の近くにあった剣をぬこうとしたが体が弱っているせいで抜けなかった。

「くそ。殺したいなら殺せ」

魔眼に集中して根源を覗いた。ついでに鑑定を発動した。根源の方には問題はなかった。鑑定の方に反応があった。魔王より少ししたくらいのものによる呪いだった。内容が弱体化であった。弱体化の中にも色々あるがそれを全て加えた状態の弱体化であった。

「これはひどいな」

「そうだろうな。俺の姿を見にくい」

生命力も吸い取られる。仕方ない。

「絶対解呪」

弱っていることにイラついたからついでに腹に力いっぱい殴りを入れた。神レベルの一個下の絶対である。

それによって呪いが解き放たれた。

「ここは?」

「多分、お前の部屋」

「お前は?」

「アルトというものだよ」

「アルトは数十年前に死んだ」

「何事ですか」

メイドたちが入ってきた。それも犬系の亜人と狼系の亜人が初めに入ってきた。

「アルト様」

思いっきり抱きついてきた。こいつらは間違えないだな。

「シス、テル、どういうことだ?そいつがアルト、そんなに若いはずがない」

「私たちが元ご主人様を間違えたりしません」

「それはそうだが」

「転生魔法を使っただよ」

「転生魔法とは?」

「本当の魔術王が存在した時代に生まれた魔法。禁呪であり、伝説級の魔法だよ」

「先から言い間違えてないか。魔術なんじゃない?」

「いや、間違ってない。転生魔法は魔法の分類だよ」

「そうか」

「理解してくれた?」

「魔王は?」

「おれの根源と融合させた。そして俺の支配下に置いたから問題は無い」

「根源融合魔術か?」

「ああ。かけてみたが上手くいっていな」

「そうか。良かった」

「なんでそんな状態になっていた」

「何事ですか」

扇子を持って豪華なドレスを着た女性と白いマントを羽織った男性が入ってきた。

「お父様」

「しっかりやっているか?」

「はい。それにしてもどうして呪いが解除されたんですか?」

「そこで水を飲んでいる男がやってくれたよ」

「いつからそこに」

「えーと。駆け寄ってくる一時間前から」

「ってことはあの破壊音はあなたの仕業ですか?」

「壁を少し破壊したからな。安心しろ 直したから」

「お父様、王城に許可なく侵入したことについてこの人っを捌く権利をください」

「辞めておけ。そやつに手を出すのではない。消されるぞ」

「え、しかし」

「お前はしっかりとした王ではないない。臨時国王だ。本当の国王の言葉が聞けないのか?」

「お前、どうしてあれほど嫌っていた国王になった?」

「お前が帰ってきて安心できる場所を作りたかったんだよ」

「そうするか」

「それにしても国王になんって口に聞き方」

腰に刺していた剣を抜いた。

「それは俺に戦闘を申し込んだということでいいだな」

「ああ」

「やめろ」

「お父様は黙っていてください。これは俺の決闘です」

「はぁ〜。死んでも知らんぞ」

騎士団が使っている練習場を急遽借りることになった。

「死んでも文句を言うなよ」

「この試合で死んだとしてもどちらにも責任はないことをここに発言します。では始めてください」

「ビックバン」

手を掲げて唱えると黒い小さい球体が出来た。それを投げた。剣で切った瞬間に吸い込まれた。それを持ち続けたせいでそのままビックバンに飲み込まれた。飲み込み終わると黒い球体は消え去った。

「・・・・・・」

「審判」

「試合終了。勝者アルト」

「無駄な魔力を使った」

「エルド、どこに、どこに行ったのよ」

先血統をした相手が立っていた場所を探していた。少し探し終えた後に僕に場所に来た。

「エルドを返して、私に婚約者を返してよ。えーーーーーーーーーーーー」

「だからやめろと言っただろ」

「この、ズゥー方は何者ですか?」

「昔、魔王ごと亜空間に消え去ったアルトだよ」

「え、あの賢者と呼ばれて、勇者チームで唯一ギフトを持たない魔術師ですか?」

「ああ。あの世界から帰ってくると思わなかったがな」

「ズゥー。でも」

「そいや、俺の偽物がいるらしいな。テル」

「はい」

膝を着いた。

「少し深く潜って調べていますが何も掴めておりません」

「そうか。王よ」

「なんだ?」

「俺はそいつを倒す宿命だと思う」

「そうか。勝手に倒してくれ。一応、こちらもマークはつけている」

「そうか。それに適した子が二人いるしな」

「ああ。助かっている。いつも通りに調べを進めてくれ」

「はぁ」

「はい」

すぐに消えた。

「エルドはどうなるの?」

「そんなに戻ってきて欲しいのか?」

「うん」

「仕方ない。借りるぞ」

「ええ」

エルドの婚約者の胸元に手を入れて小型ナイフを取り出して親指を切った。血を地面に垂らして、

「蘇れ。エルドよ」

変に結びついていた根源を消し去って本当の根源を復活させた。

「ナナ」

「エルド」

抱きつきあっていた。

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