第5話 瞬殺!マスゴミ報道陣!
『我々は現在、先月発覚した
(個人情報保護のため音声を加工しています)
『爽子ちゃんはホントにね……近所の私らにも、元気よく挨拶をしてくれる、いい子でね……。こんなことになるなんて信じられないですよ……』
『ご家族の仲は良かったんでしょうか』
『ええ、そりゃあもうね、河合さんちは、ご主人も奥さんもホント、爽子ちゃんを可愛がっててねえ……。特にあのお
……。
『今の方のお話からも、河合爽子さんがご両親のもとで大事に育てられてきたことが伺えます。卒業アルバムでは、将来の夢はパティシエと綴っていた河合さん。卒業時の寄せ書きからも、多くのクラスメートが彼女を慕っていたことがわかります。……あ、あちらのお宅ですね。被害者の河合さんのご実家が見えてきました』
『ん? これは……。玄関に何か、張り紙がしてあるように見えますね。カメラさん、ズームしてもらえますか。……えー、直筆の張り紙ですね。ご家族が書かれたもののようです。読み上げます。えー、私達は深い悲しみの渦中にあります……感情が落ち着くまで、取材をお受けすることはできません……娘の実名や顔写真を報道することも、どうか控えて頂けますと幸いです……と書かれております。河合さんご家族の悲痛な心の叫びを綴った張り紙です。……これを書かれたご家族は、今もこちらのお宅の中にいらっしゃるのでしょうか。チャイムを鳴らしてみましょう――あ、いや、足音が!』
『アンタら! 取材はやめてくれって書いてるだろうが!』
『あっ。ご主人でいらっしゃいますか』
『帰ってくれ! カメラ止めて!』
『うわっ、何を――』
『迷惑なんだよ! 妻はお前らのせいで寝込んじまった! これ以上俺達を苦しめないでくれ!』
『す、すごい剣幕です。ご主人がすごい勢いで怒っておられます。一旦撤収しましょう!』
……。
『河合さんのご主人の
瞬殺!!
ロケットランチャー仮面の構えたロケットランチャーが火を噴き、被害者の尊厳と遺族の生活を引っ掻き回したマスゴミの報道陣が、テレビ局が、新聞社が、雑誌編集部が、一瞬にして爆発四散する!!
「これにて一件落着!」
遺族達を苦しめるものは最早何もなかった。呆然とする河合夫妻に見送られ、ロケットランチャー仮面は夕陽の中に去ってゆく。
弱者
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