終章 好き

第47話 こころの答え

――光が射す、私のこころ――



 あのね。



 聞いてよ。



 今日ね、凄かったんだよ。



 今も胸の高鳴りが止まらない。



 ずっとどきどきしてる。耳を澄まさなくても、胸の鼓動が聴こえてくるぐらい。



 今夜はもう眠れないかもね。



 あっという間に完売したの。



 こんなの初めて。



 こんなのって、一生のうちに何度も経験出来ることじゃないよね。



 開店と同時にお客さんがお店になだれ込んで、次々と商品を手に取っていくの。



 めちゃくちゃ興奮したよ。



 それから、梅ラーメンが陳列されたエンドもばしゃばしゃ写真を撮られたよ。



 ついでに私も。



 もういいよってぐらい撮られたよ。



 まあ、でもいいか。へるもんじゃないしね。



 あっ、でもね、スカートの中までカメラ向ける奴がいたから、そんな輩は足踏んづけて撃退したけどね。世界中に女は私だけかよって感じ。そこしか興味ないってどうなのよ。そんな奴はきっともてないわ。わかるのよ、センスってやつが。



 私ね、しょっちゅう盗撮されてるわけよ。冷静に考えたらひどくない。犯罪でしょ。



 でもね、ちゃんと写真撮らせてあげたのは一人だけ。



 みんなが見てくれたよ、私のエンド。



 ううん、違うね。



 棚森くん。



 ウリちゃん、角場店長、智良志くん、MD長、お店のみんな――。



 そこに関わる全ての人の想いを込めたエンドだね。



 やっと、私のなかで一つの区切りがついたかな。




 終章「好き」開始――


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る