第9話 魔王ちゃん、試食で爆食いする
ぐうう~
「お腹空いた…」
魔王ちゃんはもう何日も雑草を食っている。もちろん魔王ちゃんにお金などないので食べ物を買うことが出来ない。魔王ちゃんは可哀想な女の子。
「はぁ…昆虫でも捕まえて食べるしかないのかな。」
昆虫は何か嫌なことがあった気がしてもう食べたくないと思っている魔王ちゃん。
「もう蛆虫を捕まえて焼いて食べるしかないのかな?」
釣りをするという選択肢がない魔王ちゃんだった。
「とりあえず外に出てみるかな。」
魔王ちゃんは今日も何となく外に出てみる。
「あー前が見えないぃぃぃ!!!」
魔王ちゃんの顔に風で飛ばされてきたビニール袋が張り付く。
「もうー何なんだよぉ! ムカつくぅぅ!!」
魔王ちゃんはビニール袋を地面に叩きつけた。
「………………」
冷静になった魔王ちゃんは地面に叩きつけたビニール袋を見る。
「これってスーパーのビニール袋だったのかぁ。」
何か考え事をしている魔王ちゃん。
「あっ、閃いた!そうだ!試食コーナーでバイキングを楽しめば良いんだぁ!」
また悪いことを思いついた魔王ちゃんだった。
「これでお腹いっぱいになるぞぉ! ププププ!」
魔王ちゃんは笑いが止まらなかった。ヨダレも出ていた。
「さっそく近所のスーパーに参ろうか!」
魔王ちゃんはリュックに色々な道具を詰め込んでスーパーへと向かう。
「リュックの中には何度も試食をするために変装グッズをたくさん入れているのだ! これで何度も試食が可能という訳よ!」
魔王ちゃんはスーパーに辿り着いた。
「ここが戦場だ。」
魔王ちゃんは試食を多く食べられるかどうかで生きるか死ぬかが懸かっている。果たしてその運命やいかに。
「いらっしゃいませー!」
店員のいらっしゃいませーが心地いい魔王ちゃんだった。
「それじゃまずは、安定のソーセージの試食から行こうか。」
魔王ちゃんはソーセージの試食コーナーへテクテクと歩いていく。
「美味そうぉぉぉ!!!」
魔王ちゃんは尋常じゃないヨダレの量が出ていた。そして床に垂れそうになるがヨダレを吸い込んで口の中に戻した。
「なんだこの溢れ出る肉汁は…!?噛めば噛むほどどんどん溢れ出てくるじゃないかぁぁ!!口の中で肉汁の荒波が踊っているぅぅぅ!!!」
久しぶりに美味しい食べ物を食べることが出来た魔王ちゃんだった。
「さて次は果物へ行くとしようかな!」
気分がウキウキな魔王ちゃん。
「うひょぉぉぉぉ!!!メロンだ!メロン!」
魔王ちゃんはすぐに試食のメロンを一口で食べた。
「こ、これは…!?何て肉厚なメロンなんだぁ!噛むとじゅわぁとメロンの果汁が出てくる!口の中はメロンの海だ!メロンの海なら溺れてもいいかもぉ!」
メロンを堪能した魔王ちゃんだった。
「さぁ次はどこへ行こうかなぁ♪」
魔王ちゃんの前方に何者かが近寄ってくる。
「ちょっと君、来てくれるかな?」
店長らしき男が魔王ちゃんを呼んでいる。
「え…!?」
嫌な予感がする魔王ちゃん。魔王ちゃん絶対絶命か…!?
~つづく~
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