第4話 勇者ちゃん、魔王ちゃんと仲良くしたい
勇者ちゃんは魔王ちゃんに取られたお菓子を子どもたちに返すために公園に向かっていた。
「あの子達まだ公園にいるのかしら?」
すると少年は二人でブランコを漕いでいた。
あーよかった。まだいたんだね。
「おーい、君たち!」
「はい、何ですか?」
「さっき魔王ちゃんに取られたお菓子を返しに来たの」
勇者ちゃんが子どもたちにお菓子を返そうとした時だった。
「そ、そんな! なんか申し訳ないですよ」
「え、どうして?」
「たしかに魔王ちゃんは意地悪ですが、ボール遊びが禁止な公園でボール遊びをしていた僕たちも悪いですから」
「あーそっか、でもこのお菓子は一応君たちに返すよ」
「 あ、ありがとうございます。でも魔王ちゃんにもお菓子を少し分けてあげてください」
「えーどうして」
少年たちはまたお菓子を差し出した。
「分かったよ、君達の気持ちだけ受け取っておくよ。お菓子の方は私が買って後で魔王ちゃんに届けておいてあげる」
そうして勇者ちゃんはお菓子の受け取りを拒否した。
「すいません、よろしくお願いします」
「君たちも次はボール遊びをしていい公園に行って遊ぼうね! ボロック公園だったらボール遊びをしても大丈夫だったはずだよ」
「そっか、お姉さんありがとう!」
「じゃあね!」
勇者ちゃんは手を振って少年たちを見送った。
「さてと、魔王ちゃんにお菓子を買いに行ってあげないとね」
勇者ちゃんは目にも止まらぬ速さでお菓子を買いに行ったのであった。
「すいません! チョコレートと飴玉ください!」
「あいよ、200スイカね!」
スイカというのはこの世界のお金である。200スイカは日本円で200円である。
「ありがとうございます!」
さてと、急いで魔王ちゃんの所に戻らなくちゃ。さっきのタックルも強すぎて気絶させちゃったみたいだからね。
無防備の魔王ちゃんを放っておくのは危ないよね勇者ちゃんも少しは反省していた。
なぜ私が真央ちゃんの監視をしているかと言うと、話せば長くなるのでまた今度にしておく。
でも私、魔王ちゃんのことは全然嫌いじゃないのよね。むしろ大好き! でも魔王ちゃんは可愛すぎてつい意地悪したくなっちゃうのよね!
自分の中の溢れる想いが強すぎて思いっきりタックルしちゃった! 魔王ちゃん、死んでなきゃいいけどきっと大丈夫よね!
でもこのままじゃよくないよね。私、できれば魔王ちゃんと友達になりたいもの! でもなかなか自分の心に素直になれないから魔王ちゃんが悪さをした時のみしか話しかけられなてもどかしい!
もう私ったらどうすればいいの! けど、これからも魔王ちゃんが悪さしないように私がちゃんと見張ってなくちゃ!
それで魔王ちゃんが悪さしそうになったら、私が阻止してやるんだから! よし!
パァンッ!!!
「え?」
勇者ちゃんが後ろから何者かに銃で撃たれた。
~つづく~
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